住まいにかける費用は家計の三大支出の一つですが、家賃あるいは購入費用以外を考えたことのある人はどのくらいいるでしょうか。家をメンテナンスするために適切な支出をすることは意外と見落とされていることが多いのです。

賃貸と持家の違い

掃除くらいは思いつくにしても、そもそも家をメンテナンスする必要があるのか、と疑問に思う人もいると思います。賃貸で生活している人、頻繁に引越しをしている人が今の時代は多いからでもあります。数年だったらよほどの使い方をしない限りは家の状態は大きく変わりませんよね。

ただ、持家になるなど、より長いスパンで住まいのことを考えると、適切なタイミングでメンテナンスを施すことで、住まいの寿命を延ばし、また長期的に費用を節約できることも知っておきたいものです。

日常的な家のメンテナンス

日々のメンテナンスとして思いつくのは清掃ですよね。掃除機をかけたり、雑巾で拭いたり、定期的に行うことで家の状態は良好に保たれます。

マンションに住んでいれば、一年のどこかで、雑排水管の清掃、消防機器の点検などが行われます。メンテナンスの中には法令上必要なこと、も含まれています。

それ以外だと、水回りや壁紙など、トラブルがあったときに修繕する、という人が多いかもしれません。

年に一回は家の各部分を点検し、異常がないかを確認したいところです。日常的な家のメンテナンスはほとんど費用がかかりません。変化そのものも目立たないものが多く、メンテナンスにも労力がかかりません。

中期的な家のメンテナンス

5年以上の期間同じところに住む、となるとさすがに劣化してくるものが増えます。家具、家電を買い替えるというのも広義にはここに入ってくるでしょう。メーカーの想定する耐用年数を確認しておき、同時期に買い替え費用が発生しないようにすることや、買い替えのタイミングをコントロールすることが考えられます。壊れるときというのはよく使う季節であり、一般には価格が高い時期になります。実際壊れてから、という人は多いと思いますが、これも予算組みの問題で、計画的に行った方が安く済むことはあります。

部屋のリノベーションを考えたり、あるいは普段気にしない外壁塗装や屋根にも気を配りましょう。見えないところも当然あります。そもそも誰に頼めばチェックできるのか、考えたこともない人が多いと思います。何かあったときの連絡先リストを作ることもまた有益ですし、実際にチェックを依頼できるのであれば専門家に見てもらっておくことも推奨されます。

何も異常がなければそれでよく、早期発見できるならそれもよしです。普段どういう使い方をすれば中期的に目立つものに変わっていくのか、日々の生活にフィードバックできるものも多いはずです。

長期的な家のメンテナンス

長く住んで、というのもそうですが、どちらかといえば親から相続した家だったりともともと築年数が経っている場所の方がイメージしやすいでしょうか。この場合、家の歴史を知るところからスタートしてみてはいかがでしょう。上記で述べたような日々のメンテナンス、中期的なメンテナンスがどのように行われてきたのか、設計図のようなものもあればいいですが、大抵はないものです。その場合、長く住む近所の人と話すことで得られる情報もあるかもしれません。

中期的なチェックの結果、大がかりな補修が必要だと分かれば、予算組みをしましょう。突発的な支出にならないように積立を行っていけば、負荷を軽減することができます。

この段階で気になるのは、修繕するとしてその後どのくらいの期間住むことになるのか、です。部分的に直すのか、全体を入れ替えるのか、次の周期を見据えて選択することになります。費用もそれなりに嵩みますから、節約したい気持ちにもなります。すぐに何かしなくていいならと決断を先延ばしにする人もいるでしょう。

長期的なメンテナンスの部分はこまめに対応するよりは、実際まとめて業者に依頼した方が安く済むこともありますが、傷みが進行すると取り返しがつかないもの、事故に繋がるものもありますので、早めに行動することが大切です。

改めてチェックすることの大切さ

日々住んでいて困ることがなければメンテナンスについて考えることは少ないと思います。それに手間と費用をどのくらいかければいいのかの目安も誰かが与えてくれるわけではありません。大事に思うあまり費用をかけすぎてもいけません。家の他にも優先して支出すべきものはあるからです。ただ、時間的に余裕ができたときなどに改めて家の状態についてチェックする、というのは大切です。

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