今回は、IFAと契約をした後に幸か不幸か訪れる、移管・変更・移籍といった意思決定について、しっかりと向き合うための材料を考えてみたいと思います。

IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は移管・変更・移籍が可能

独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)から金融商品を購入した、あるいはサービスを受けているという人はもちろんたくさんいます。

しかし、そのIFAは移管・変更・移籍が可能であるということを考えたことがない、知らないという方も多いです。

いや、そもそも紹介者経由だったり代理店と名乗る業者経由だったりすると、IFAと契約した、という事実すら知らない人がいます。その場合は紹介者や代理店に何らかの報酬が支払われており、IFAと直接コンタクトをとろうとすると嫌がられる可能性もあります。

IFA選びはお客様の権利ですから、しっかり比較検討し、そして移管・変更・移籍が可能であるということも知っておきましょう。

IFAの移管・変更・移籍を考える人が少ないのはなぜか

  • 契約した会社から離れられることを知らない
  • 移管には手数料がかかると思っている
  • 契約した会社から離れることに心理的抵抗がある

などが一般的かもしれません。例えサービスに満足していたとしても、考えたことがない人は一度考えてみることは意味があります。

IFAの移管・変更・移籍を決めるきっかけ

  • 担当者と思っていた人と連絡がつかなくなったとき
  • 運用成績が悪いとき
  • フィーに見合うサービスを受けていないと感じたとき
  • 契約内容に違和感を感じてセカンドオピニオンを求めたとき

などが考えられるでしょうか。どちらかというとネガティブな理由の方が多いとは思います。どうしても「変えなきゃ!」と思うことが人を動かすからですね。しかし、

  • もっと良い担当者に出会った
  • より手数料を下げてよいサービスを受けられる

などのポジティブな理由でも良いと思います。移管・変更・移籍によって得られるものは安心であり、そしてワクワクでもあるでしょう。

移管・変更・移籍の対象となるサービス

① サービシング

銀行や保険会社や証券会社などをプロバイダーと呼びますが、IFAが提携しているプロバイダーに対しては、IFAがお客様とプロバイダーの間に立って事務代行を行う権利を有します。

これはただのお手伝いではなく、正式な提携関係であり、サービシングといいます。サービシングによってプロバイダーから一部報酬が発生しているケースもあります。

サービシングの権利を移管すると、移管元のIFAでは契約内容を把握できなくなり、移管先のIFAでは把握できるようになります。

② 投資アドバイザー

プロバイダーとはいわばプラットフォームを提供する会社ですが、IFAの場合、そのプラットフォームを用いて、自前の投資アドバイザリーサービスを提供していることが多いです。

例えば、投資リンク型保険であれば、ファンドのスイッチングを投資一任勘定で行う、などですね。モデルポートフォリオのようなものを見せる場合もありますが、基本的には運用内容、成績は個人ごと、契約ごとに異なります。

投資アドバイザーの権利を移管すると、移管元のIFAではスイッチングができなくなり、移管先のIFAではできるようになります。

投資アドバイザーとして指定を受けるには一般には

SFC(香港証券取引委員会)のライセンス

が必要です。

担当者自身がSFCライセンスを持っていない場合は、会社で代わりに行う人物がいることになりますが、その場合、担当者本人がやっていないので、運用状況の説明はしどろもどろになる可能性はあるでしょう。

また、保険関係の会社の人間や、外部の人間が行う場合、当然プロフェッショナルな投資アドバイスとはならないことは知っておくべきです。もちろん有資格者=優秀というわけではないですけども、一定の知識と経験、顧客保護等の業界ルールを守っていることの証明にはなります。

SFCのライセンスの状況は公開情報なので、SFCのウェブサイト から確認できます。自分の担当者が持っているかどうかは知っておくに越したことはありません。一度もらった名刺に書いてあるからといってもライセンスは永久ではありません。

IFAの移管・変更・移籍に必要な手続き

IFAの移管にあたって、移管元のIFAで行うべき手続きはありません。一切コンタクトを取らずしても可能です。

また、移管を完了したとしても、移管の事実(自社の管理から外れる)は移管元のIFAで把握可能ですが、どこのIFAに移管したかまでは分かりませんので、後腐れはありません。多数の顧客を抱えるIFAにとっては顧客の出入りは日常的によくあることです。

移管を始めるにあたって、移管の対象となる商品、契約番号の情報は最低限必要ですから、もしこれが不明である場合は確認しましょう。

移管手続き自体は、シンプルな数枚の書類にサインをするだけで開始されます。およそ2週間〜1ヶ月以内には完了するでしょう。

移管先のIFAとしては新しいお客様として迎えることになるでしょうから、顧客契約書やリスク傾向アンケートなど、定型の書類も合わせて提出を求められるかもしれません。

移管前は気を揉んだ割に、実際に移管をやってみるとそのあっけなさには驚くかもしれません。

誰でもIFAの移管・変更・移籍という選択肢を常に持っておくべき

契約の時点で、様々なIFAを比較し、最善の選択をしようとされる方もたくさんいらっしゃいます。もちろん、それによって一生の付き合いが生まれることもあるでしょう。きっと素敵なことです。

ただ、人も会社も先のことは絶対ではありませんし、周りのサービスも刻一刻と変わっていきます。運用期間中においてもより良いサービスを求める機会があることは知っておくべきでしょう。

お客様はお客様であり、IFAの所有物ではありません。対価に見合ったサービスを受ける資格があります。ただし、IFAもまたプロフェッショナルとしてのサービスに見合った対価を受け取る資格があります。

ライセンスや所属人数など、形式的なチェックももちろん大事ですが、どのようなビジネスモデルを描いていて、かつどのような理念で運営をしているか、というのも実は違いがあります。かくいう私もより良いサービス提供をするために、IFAを移籍していますから、ただ単に香港IFA一覧やランキングで見ても比較できないくらい、IFAによって提供されるサービスに違いがあることを私も知っています。

お客様とIFA、お互いにとって良い関係が築けたとき、人生の伴走者としての役割を果たせるのだと私は期待しています。もしご希望であれば一度お話しするところから始められればと思いますので、いつでもお問い合わせください。