金利の見通しが不透明なとき、借入をどのように考えておくべきか悩む人は多い。投資を成功に導くための借入の考え方を身につけておきたい。
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投資における借入の例
不動産担保ローン
不動産でのローンは居住用物件なのか投資用物件なのか分かれるが、借入を行う人は多い。一番の理由は現金ですぐに買えるほど金額が小さくないからである。
だから先に大きな買い物をしてその後返済をするプランを立てる。もちろん既に物件を持っており、それに対して担保を設定しお金を借りる、ということだってできる。
証券担保ローン
証券でのローンは、まずは証券投資を先に実行し、その一部を担保に借入を行うというものである。不動産担保ローンでは、今後の収入などをあてにした借入があったかもしれないが、証券担保ローンは純粋に証券の担保価値を見る。したがって、資産があることが前提にはなってくる。
保険担保ローン
保険に関しても、担保価値が存在すればローンを組むことはできる。
プレミアムファイナンスと呼ばれ、保険の購入時点でその一部の支払いを借入によって賄うということも可能にはなっている。担保価値のある保険なのかどうか、は保険契約によるし、究極的には保険会社の支払能力(≒格付け)が評価対象であると言える。
これらの借入は確かに投資の選択肢を広げることに繋がっているかもしれないが、業者にとって美味しい(=儲かる)取引になりがちである、ということは理解しておきたい。なぜなら、取引量は現金をそのまま使うよりも増えているし、場合によってはローンを紹介することでも何らかのプラスの利益があるからである。
業者のメリットが大きいから選択肢を排除せよ、というつもりはないが、借入するメリットばかりを語られて納得していないかは注意が必要だと言える。
レバレッジの魅力
投資の成果を得るにはとにかく時間がかかる。借入=レバレッジを利用することは、そのスピードを早くするのに役に立つ、とは言えよう。歩いて目的地に向かう代わりに、レンタカーを借りて運転するのと似ているかもしれない。
ただ、スピードを求めすぎた結果、安全性を無視してしまえば、結果事故に遭ったり、振り落とされてしまうことも当然ながらあり得る。その時は大怪我で治すのに時間がかかるか、あるいは一生かけても治らないかもしれない、という話である。レバレッジは諸刃の剣である。
借入コストに目を向ける
借りてきたお金というのは、返さねばならないものだし、借りているからにはコストがかかっているわけだが、いつの間にか自分のお金だと思ってしまっているケースもある。あるいは借入をしていること自体を忘れてしまっているケースもある。
借入コストはゼロなのか、あるいは一定なのか、このことも目を向けた方がよく、変動する性質を持っているのであれば自分の気付かないうちにコストが上昇していることだってあり得る。一体いくらのコストまでなら借入をするメリットがあるのか、計算しておきたい。そしてコスト割れをする確率や、そのときの対応についてもリスクシナリオとして想定しよう。
返済計画を持っておく
コストが払える限りにおいて借入は継続可能である。ただ、だからずっと借入をしておくというのは合理的でないかもしれない。常に返済計画は持っておきたいし、逆に返済計画が立てられないとしたら何かが前提として破綻している可能性はある。
無借金を目指すべきか
無借金であることをポリシーにしている人は少なからずいる。
借入にはリスクもあることを理解しているからこそ、あえてそこには触れず、借入が必要になるようなことにも手を出さない、というものである。健全性の一つの物差しである。この場合、より大きな成長を遂げるには、元手を自力で増やさなければならず、いつまで経っても“こじんまり”の状態で止まってしまうことが考えられる。
資金量は重要
投資を成功に導くためには、資金量を増やすことが肝心だとは言える。日々働いて稼いでいるなら貯蓄をするとともに、それを少しずつ投資に回す癖をつけることである。そうでなければある瞬間に不必要なリスクをとって全ての計画を台無しにしてしまうかもしれない。
借入をしようと思うのも、資金量が必要であるという原則を理解してしまったからでもある。でも借入をしている以上、等身大の自分はあまり変わっていないことも理解せねばならない。借入をしようがしまいが、自分を大きく見せることよりも、等身大の自分を大きくすることに力を注ぐこと、これが投資を成功に導く秘訣である。