みなさんは資産運用について誰かに相談したことはあるでしょうか。そして相談して上手く行った、という経験はあるでしょうか。

世の中誰でも資産運用について語る権利はある一方で、専門家として中立的な立場でアドバイスし、資産運用をする職業もあります。徐々に普及しているのはなぜなのか。どのような利用方法があるのか、まとめてみます。

自分でやるか、他人に聞くか

日本人の方の多くは、投資を始めるとき、インターネットで自分で取引をしたり、あるいは銀行や証券会社、保険会社から何か商品を売ってもらったり、というイメージが強いのではないでしょうか。

自分ではよく分からなくて他人に聞くにしても、友人や家族では知識や経験がまちまちですし、セールスマンに聞けば、お勧めの商品は教えてくれるかもしれませんが、それが良いのか悪いのかを判断する基準がない、という問題に直面します。

聞いている相手がどういう立場の人間なのかを理解することはそこから出てくるアドバイスがどのような視点のものなのかを知るヒントになります。

専門家毎の違いや特徴

銀行・証券会社

金融機関を利用すれば、窓口に人がいて、あるいは専属の担当者が割り当てられることもあります。当然ですが、金融機関に所属している方です。

金融機関で働いている以上、資格の勉強をして一定の知識を持っていることは想定されます。仮に担当者が力量がそれほどなかったとしても同僚に取り次いだりすることで総合的な組織力でサポートをしてくれることでしょう。

一方で、組織に属している以上、異動や転勤があったり、取り扱える商品が限定的であったり、営業ノルマがあったりします。

あるいは他に取引があるため、相談に乗ってもらったからには何かしなければならない、むげに断るのははばかられる、といった顧客サイドの心理的バイアスが働き得ることも知っておくべきでしょう。

ファイナンシャルプランナー(FP)

FPという職業は、直接は資産運用のアドバイスとは異なります。金融業を行うにはライセンスが必要なので、FPはあくまでライフプランニングのプロということになります。

資産運用と直接関係ないのであれば必要ないのでは、と思う人もいますが、人それぞれのライフプランがあり、それはマネープランとも結びついています。様々なマネープランの中に資産運用という形でお金を配分する、ということをやっているわけです。

そもそも資産運用で何に取り組むべきか悩む人の多くは、何に投資をしたらいいかもそうですが、そもそも何のために投資をしたいのか、結果としてライフプランがどのようになることを期待しているのか、ということが固まっていないケースが多いのです。

FPだと名乗る人の中には、組織に所属をしてFP資格を持っているだけで仕事としてそれを使っていないし、FP報酬を受け取っているわけではない、ということもあります。単に名刺に載せたかっただけなのか、サービスとしてどのように力を入れているのかは確認してみると良いでしょう。

独立系ファイナンシャルアドバイザー(IFA)

近年ようやく日本やアジア圏で認知度が高まってきたのがIFAです。銀行や証券会社のような組織に属することがなく、FPのように金融業としてのライセンスを持たない人でもありません。具体的な金融商品の運用・実行支援までをしっかり面倒を見てくれます。

IFAという具体的な資格が存在するわけではないので、実際のところは提供しているサービスに応じて専門的なライセンス等を保有していることになります。税理士事務所を母体として、税務に強いIFAという見せ方をしたり、保険代理店や不動産会社を母体として、それぞれへの橋渡し役をしたりということも考えられます。

一人ひとりの個性と領域に注目

上記では大きく3つに分類して話をしてみましたが、くっきり分かれているとも限らないのが現状です。ヒトに着目してみれば、当然ながらその職業に至るまでの経験や、今後どのようなキャリアを歩んでいく予定なのか、あるいはそれ以外に何か別の仕事をしている副業タイプなのか、なども見えてきます。あるいは性格的に得意分野や対象顧客に違いがある、ということもあることでしょう。

もし話を聞いていてしっくりこないな、と思うようであれば、費用の許す限り、他のアドバイザーとも話してみるのもいいかもしれません。組み合わせることによって良いソリューションが見つかるかもしれませんし、あるいは現在の担当者の強みもよりはっきりと見えてくるかもしれません。

相性の良い、あるいは信頼ができる担当者が見つかったのであれば、専門家として力強く伴走してくれることでしょう。そのことは中長期で資産運用を続けていく上で非常に大事な要素になってきます。「餅は餅屋」、資産運用という専門領域を上手く取り込んでみましょう。

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