具体的な資産運用や保険プランの購入など、実際のアクションをとるときに悩む人が多く、そして実際にアクションした人が後悔するケースが多いのは、その前にやっておくべきライフプランが欠けていると考えられます。本稿では、ライフプランを作る目的やメリットについてまとめます。

ライフプランとは

ライフプランとは、住宅購入や教育資金の準備はもちろん、家族計画、働き方の選択、老後のライフスタイルなど、実現したい未来に合わせて、資金面を含めて具体的に計画することです。

計画を立てる、ということが性に合わないという人もいるかもしれませんが、人生における大きなイベントほど、事前に備えることが達成への近道となります。また、一般論だけでなく、自分の価値観に沿った選択とは何かについて考えることが一度きりの人生を充実させるために欠かせないと言えるでしょう。

ライフプランにおいて大事なこと

資金面の工面と聞くと、とにかく節約して貯金しましょう、という結論になるのではと身構える人はいます。ライフプランにおいては、現状把握と将来のシナリオ分析を行いますから、確かに見たくない現実に向き合わなければならない場合もあります。ただし、それらは紛れもなくあなた自身の現状であり、あるいは見て見ぬふりをしてきたものの積み重ねかもしれません。

ライフプランにおいて大事なことは、自らがコントロールできるものとコントロールできないものの違いを認識することでもあります。例えば、将来年金がどのくらいもらえるのか、世の中が不景気になる可能性はあるか、等と、自分が何歳で退職できるのか、戸建ての家に住む選択ができるのか、は悩みが根本的に異なっている可能性があります。

ライフプランを作る目的

ライフプランを作る目的は、実現したい未来に前向きに向き合うことでもあります。お子さんが成長するにつれて教育資金が増えていくこと、住宅を購入するならまとまったお金が必要であり、場合によっては住宅ローンを借りなければならないこと、いつまでも心身ともに健康で働き続けられるわけではないこと、等、考えるほどに不安が募るものもあるでしょう。

でも、お子さんの成長をしっかりと見守りたいこと、家族が笑顔でいられる広い家が欲しいこと、早期退職をして元気なうちに海外旅行をしたいこと、等、本来はより多く実現したいものなはずです。

もしそれが資金面でより負担が重い、ということであれば、その重さを知っておくことは大切です。現在は楽であっても、そしていつどのようにその負荷がかかるのかはおおよそ予測がつくものなのです。

ライフプランを作るメリット

プランニングというからには未来の話だというのは確かですが、多くの人にとっては現状を正しく理解することがメリットに感じられるようです。家計簿をつけているということ自体はもちろんこれはプラスです。でもどちらかといえば、日々の記録に終わっているケースが多く見受けられます。ライフプランにおいては、その現状について全体像を俯瞰していただきます。日々の細かな意思決定はもちろん大事ですが、大枠をざっくりイメージすることで、家計の状態がよりはっきりと理解できることでしょう。

現状が正しく把握できたなら、その次に、将来の生活を可視化することです。今のままの生活を続けたらどのようになっているのか、これを知るだけで随分見方は変わります。可視化する=数字として表す、視覚的に理解する、というのがポイントで、頭の中で考えている、あるいは自分の言葉で表現しているだけでは本人でもよく分かっていないことがあります。そんな状態で、家族や他の誰かとイメージを共有する、なんてことは至難の業です。

現状が理解でき、叶えたい目標を詰め込むことがライフプランではありません。その叶えたい目標に向かう過程には様々なリスクが存在し、結果として思い描く未来に辿り着かなくなることは避けねばなりません。漠然とした不安で終わらせることなく、しっかりとした対策や準備をすることが求められています。

具体的なライフプランに向けて

家計簿を我流でコツコツつけている人がいるのと同様、自分で取り組むためのツールはいくつかあります。例えば、ファイナンシャルティーチャーシステムを使えば、キャッシュフロー表を作成することは可能です。項目をブレークダウンすることで、より細かなシミュレーションができます。

それ以外には、費用を払ってファイナンシャルプランナーに相談する、というのも選択肢でしょう。第三者として、自分だけでは気づかない視点も提供してくれるでしょうし、他の事例も踏まえながらより現実的なアドバイスも受けられると思います。

具体的なライフプランができたとき、漠然とした将来への不安が払拭され、日々の生活にも良い影響が期待できます。ライフプランについて考えることは、具体的な資産運用や保険プランの購入など、実際のアクションをする前にやっておくべきことだと気づいていただけたのではないでしょうか。スマートな意思決定ができれば、より効率的に目指したい未来へ向かっていくことができます。

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