2025年もまた、金融市場にとっては変動が大きい局面もありつつ、どちらかといえば穏やかな一年だったのではないでしょうか。もうはまだなり、まだはもうなり。決めつけは禁物ですが、2026年の先行きについて触れてみたいと思います。

2026年のメインシナリオは?

2025年、AIブームと言われるほどに社会の様々な場面でAIの利用が試みられました。そんななか、AIの群雄割拠と言ってもよい時代が終焉を迎えに来ている気がしないでもありません。さらなる発展を期待しつつも、メインシナリオは次として考えてみたいと思います。

AI時代の弱肉強食

なんとなくどんぐりの背比べ、雨後のたけのこのように生まれてくると思えたAIサービスも、おそらく2025年後半にかけて、淘汰が進みつつあるように感じる面はあると思います。実際のところ、テクノロジーは寡占や独占に向かいやすいことは過去のIT革命でも確認されています。AIにもそれがない、とは言えません。

特にAIサービスを支えるのは、巨大なデータセンターだったり、膨大な電力消費だったりするわけで、利用者にとって気軽でも、提供する側にとっては非常にお金のかかるものである、とも言えます。トータルで見て、社会にとって良いのか、これはもう時代の先を読む人たちにしか分かりません。期待が先行しすぎていないか、仮に素晴らしいサービスだとしてもファイナンスはついて回っているのか、実態を問われることになるやもしれません。

各国金利は高止まりか

残念なのか、良いことなのかこれも分かりませんが、主要先進国のインフレはまだまだ高い状態にあります。したがって、2025年は金利が落ち着いてきたものの、その到達点はもう間もない、と言えます。その先は、となると何も変化がなければ一旦は高すぎないところで高止まり、ということになるでしょう。あるいはそれが新常態として定着することになります。金利が経済を抑制もしなければ、刺激もしない、そういうゾーンに突入するか、あるいはその安心を振り動かす何かが起こるのか、ということになります。

2026年のブラックスワンは?

2025年末から2026年初め、投資家全般の雰囲気は悪くない、一方で、数年前ほどリスクオフ、といった目立った調整をすることは珍しくなった、と思います。全体的には膠着感の方が印象に残ります。むしろ、金価格や銀価格など過熱感の生まれたところで調整が起こっているのは興味深いと言えるかもしれません。ブラックスワンというからにはあえて本当に起こって欲しくないことを挙げておきましょうか。

米政権の瓦解

2025年は米トランプ政権が世界をかき乱す動きをしました。大規模な関税発表にしても、ある種の掟破り感が否めません。それはこれまでの流れからの揺り戻しではあるし、同時に様々なところに分断を生んでいる、とも言えます。決してマイノリティと言えないものが押し潰されているとしたら、反転は必ずどこかでやってきます。

そうでなければとことん行くところまで、ということになりますが、その次の瞬間、もし船頭役がいなくなったら、と考えたら受け止めは非常に難しいものとなるでしょう。米国は11月に中間選挙を迎えますが、果たして米国は一枚岩なのか、あるいはその頃までに世界が米国を見る目はどのようであり続けるのか、注目です。

炭鉱のカナリアが鳴き声に慣れていないか

金融市場において、ここ数年で大きな失敗をした、という人は相対的に少ないと考えられます。この1年を経てまたこのように言うとは想像していませんでした。株価もどちらかと言えば右肩上がり、金利も高い状態で比較的安定している方だと言えます。(何より逆イールドが解消されましたよね!)

でも、金融市場は日常の穏やかさの中にあるのか、というと何だか違和感を感じ続けている人も多いことでしょう。金価格や銀価格が随分上昇しているし、かたや注目されていたビットコインはそれほど動いていません。炭鉱のカナリアが鳴いているか、と言われたら、鳴いているには鳴いている、ような気もします。人々にその鳴き声は届いていないか、あるいは鳴き声に慣れてしまったのか、定かではありません。

これまでの積極的な投資が功を奏した人は、まずは結果が良いことを素直に受け止めましょう。と同時に、これまで上手く行ったから、というバイアスをいかに消すことができるかです。コインの表が出たから次は裏だ、というのもおかしいし、表を当てられたから次も当たる、という話ではない、そしてそもそも表か裏かを当てるギャンブルをやっているわけでもない、と立ち直ることができるかどうか。いつでもできることとしては、上手く行かなかったときのバッファーがどのように確保されているのか、再度チェックすることもまた重要になってくるでしょう。

↓ この記事が気に入ったらシェア ↓