投資にはリスクがつきものです。皆が投資をする株式市場には数年に一度、下落局面がやってきます。数十年に一度は暴落するかもしれません。今上手く上昇局面に乗って利益を上げた自分はそろそろ手仕舞いをすべきなのではないか、このような心理にどのように向き合えばよいのか、という話をしてみます。

暴落がまもなく来る、という情報は常にある

少し投資を続けていると気づくと思いますが、そろそろ暴落がくる、という情報を発信する人はどこかに必ずいます。ずっと言っていればいつかは当たる、彼らはそんな立ち位置なのかもしれません。あるいは心の底からそう思って本気で声を上げている人も中にはいるのかもしれません。

でも、こうした情報はあるときはあなたの耳には入らず、あるいは入っても無意識に聞き流し、そしてあるときには異様に耳に入ってきて心を揺さぶり始める、という性質を持っています。

損失をみすみす受け入れたい、という人はいません。だから本当に暴落が来るなら今すぐアクションしたいと考えるのも自然なのです。

普通の相場を思い出す

日常的な投資環境は極めて平凡です。ある日投資を始めて、次の日に莫大な富に変わっている、ということはまずありません。同時にいきなり全てを失う、ということもまずありません。とはいえ、資産が増えると思ったから投資をしているのであって、本当に動きがなかったらそれはそれで困るわけです。でも概ねそれが普通です。

普通でない相場で、投資慣れしていない人が上手く利益を上げることは難しいのは何となく分かりますよね。だから、めったにこない普通でない相場のことではなく、ありふれた普通の相場でどのように利益を上げるのか、を優先して確立すべきだと言えるでしょう。

根拠のない自信を築かない

意思決定はとても重要です。どこかで決めなければなりません。そして自分が決めたことに責任や結果が伴うことを皆よく分かっています。

だから、自分が意思決定するにあたって情報が十分にあって冷静に判断ができる状態になっていないのだとしたら、後になって悔やむ、ということが起こります。

投資慣れしていない人は情報との付き合い方がまだ身に付いていません。自分の判断が容易に揺らぐのです。方針が決まっていないので、常に不安な状態だとも言えるでしょう。

情報発信をしている人が投資のプロだ、と思っている人もいるかもしれませんが、実際には情報発信をすることで得られた様々なリアクションをもとに投資をしている人もいますし、そもそも情報発信をするだけで投資は一切やっていない人もいます。

自分より詳しい他人が信じてやっている投資だから自分も乗っかかってやれば成功する、というものでもありません。

情報と上手く付き合うことで、根拠のない自信を築かないことが大切です。

気になって仕方がない状態を脱する

一度暴落に真実味を感じてしまったら、それが本当である、という情報を集め始めます。そしたら不思議と集まってしまうものなんです。そうなると抜け出すのはさらに大変です。

でもよく考えてみれば、昨日は一つもなかった情報ではないはずなんです。そして今日は普通の日。明日が普通の日でないとなぜ言えるのでしょうか。

今すぐアクションせねばと思っているなら、一日他のことをして過ごしてみてはいかがでしょうか。気になって仕方がない状態を脱することができたと思ったら、改めて情報を整理してみましょう。

気持ちを楽にするために本当にすべき意思決定

色々考えた末、未来が分からない、という現実に向き合わねばならないことに気づくでしょう。そしてそのことだけは頑張っても変わりません。このとき、不安だったり悩んでしまったりした自分を精神的に楽にさせるために意思決定を急ぐ人がいます。確かに、悩みの種を解消することはお金に代え難い、と言えます。いえ、お金を払ってでも解決できるなら、それによって人は楽でいたいのです。

でも、一年前に投資を始めたときと今とで、この「未来が見えない度合い」は変わっていますか。きっと変わっていないと思います。あるいは変わってしまった、と思ってしまっているだけです。ではなぜ一年前は受け入れられて、今は受け入れられないのか。変わってしまったのは自分自身の心理状態の方なのでしょう。何か仕事で嫌なことがありましたか?人間関係でギクシャクしましたか?なかなか息抜きできていないのではないですか?これらは本当は投資と関係ないはずなのに、結びつけて考えてしまうものなんです。これも普通のことです。

唯一できることがあるとしたら、なぜ投資をやっているのか思い出してみて欲しいんです。過去のメモを掘り起こしても構いません。きっと未来の自分のため、家族のためにやっているのではありませんか。今の苦しみは未来のためだ、と思えたなら、暴落を受け入れる覚悟はできませんか。できないですね、はい(笑)

でもきっと初心に帰ることができたなら、今この瞬間、より良い意思決定になるのではないでしょうか。

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