今回は資産運用ケーススタディとして、外資系投資ファンド会社に勤務の方の事例をまとめてみます。

家族構成

  • ご本人(42歳)ー 外資系投資ファンド会社勤務
  • 配偶者(40歳)ー 外資系航空会社CA
  • 長男(16歳)ー カナダ留学中

現在の家族資産

  • 現預金 2億円
  • 不動産 3億円(借入比率60%)
  • 有価証券 0.5億円

家族ストーリー

新卒で外資系コンサル会社に入り、当時は仕事漬けの毎日でした。幸い給与は人並み以上でしたし、正直言ってモテました。妻はそのときに友人の紹介で知り合った一人で、気が合うところが多かったのか、割とすぐに結婚の話になり、子供も生まれました。妻は本人の希望でその後職場に復帰しましたが、昨今のコロナの流行で航空需要が減り、友人の中には泣く泣く別の仕事をしている人もいるようです。妻は幸いプライベートな航空会社に職を得たので、影響は今のところ小さいです。富裕層はこんなご時世でもきちんと空を飛んでいるようです。

私自身はその後、友人の誘いで外資系投資ファンド会社に転職をして、投資先企業のソーシングやデューデリジェンスなどをやっています。コンサル時代よりさらに収入が増えたのに対し、時間に余裕ができたのは意外でした。しばらくはプライベートエクイティなどに投資家の資金が流れてくることが予想されていますが、リーマンショックのようなことが起こらないかは気になります。

息子は本人の希望もあって今カナダに留学に行かせていますが、学費的はこれからですね。年間1,000万円くらいは見ておきたいと思ってます。仮に二人とも仕事を失って、となると、これはもちろん最悪のケースですが、それでも資産運用に回せる部分がどれくらいあるか。なんとなく保守的には考えたいタイミングですが、そうも言ってはいられないので資産運用は考えてます。

資産運用経験コメント

これまでは私自身が仕事で忙しかったことや、今は投資ファンド勤務のためインサイダーなどは少し気にかけていて、目立って証券投資はやっていません。日本では不動産投資の話をいただいたので、一部借入をして東京都内にマンションを持っています。正解だったかは分かりませんが、管理に手間はかかってませんし、多少の非労働収入があるのは安心だと妻とも話しています。最近はFIREという言葉を聞いて本なども読みましたが、お金の悩みから解放されるのにはまだまだという気がします。

社員特権で自社ファンドへの出資枠が多少もらえそうなので、数千万円くらいは入れてもいいかなとは思いつつも、5〜10年くらいはロックアップで資金が戻ってこないので、全資金投入とは当然ながらいきません。外貨建ての社債などは不動産と同じで定期収入があるのでピンとは来ていますが、金利の低い今買うのはどうかなと思ったりします。となると、株式を含む証券投資を中心に据えていけば、と考えますが、このあたりの知見はほぼほぼありません。物の本やブログなどを見て、S&P500などのインデックス投資がいいのかとも思いましたが、もう少しコンセプトを持って、忍耐強くやっていけるものがいいなと考えてます。

他の証券会社やIFAさんも回りましたが、なんかこう、流行り物を勧められているだけのような気がしましたし、きっと売りたい商品があるんだろうなぁと感じさせるものでした。ローカルな会社さんほど、ローカルな客を相手にしているので、見ず知らずの外国人には、鉄板の回答みたいなのがあって、後先のことを考えるのは客の仕事って感じですかね。商売ですから仕方ないのだろうとは思いつつ、納得感は得られそうになかったので話はあまり進んでいません。妻も私も英語は全く問題ありませんが、贅沢をいうならば、日本語ないし日本のことを分かってくれる担当者の方が後々良いような気もしました。

証券投資をするにあたって社内のコンプライアンスに説明をする必要もあって、費用などに透明性があって、運用をお任せできることは大事かなと思ってます。その辺りのノウハウをお持ちだと嬉しいです。

私からの分析と対処

既に投資関係の仕事に携わられていますので、思考がロジカルでいらっしゃいますね。資産運用に対するリスク感覚も十分に身につけられているように思います。

確かに、金融機関や投資関係のお仕事の方ほど、社内のコンプライアンスの煩雑さから資産運用に関してはやや思考停止している傾向がありますが、よほど不自然な取引を予定していない限りは承認が得られます。“ご自身が判断する”というところがハードルが高くなりやすいので、投資一任マネージャーとして指定いただくのが一般的かと思いますが、これでよいかどうかは各社のコンプライアンスからの要求が違うので少しやりとりが必要になります。投資対象に制約が出てくるときもあります。

ご年齢や資産の状況からすると、ご認識のとおり、ある程度運用に資金を回した方がよいとは言えるでしょう。ただ、お二人の仕事の不確実性なども思い浮かぶとなると、もやっとリスクを意識し続けるよりは、数字としてシミュレーションを出してみて、金額的なバッファーなどを把握しておくことをお勧めしたいと思います。この点に関してはまずお手伝いができます。

次に、運用のあり方としては、不動産への偏りがあるのは多少気になるところです。もちろん好き嫌いはあると思いますが、証券投資という流動性の高い(すぐに換金できる)運用を組み込んでいくのは一つの考え方としてはよいでしょう。どういう証券投資の構成にしたらよいか、という点はリスクプロファイルという考え方があり、資産構成や将来のゴールなども踏まえながら、例えば年一回の見直しをしながら進んでいく、というのはいかがでしょうか。自社ファンド分の組み込み方についてもその中で話していきましょう。

実際のポートフォリオの変化

【変化前】不動産投資については借入分を除いた純資産で計算をして以下のとおり。全体平均利回りは2.6%。

【変化後】現預金を少し厚めに残しつつ、自社ファンド投資と証券投資に再配分。現預金の厚みが確認できたので証券投資についてもやや高めの期待利回りとした。全体平均利回りは6.2%へ向上。