万洲国際(WH・グループ)は豚肉生産・食肉加工で世界最大手の企業である。米国のスミスフィールド・フーズなどの買収を繰り返し、大きく成長した。
目次
サマリ
万洲国際(WH・グループ)は1958年に中国河南省で創業した、双匯(そうかい)グループを前身とする、食肉加工企業(現会長兼CEO:万隆)である。1998年に深圳証券取引所に上場、2014年に現在の名称に改めるとともに、香港証券取引所にも上場した。2017年にはハンセン指数の構成銘柄となっている。1992年にヒットしたソーセージが同社の売上拡大の転換点である。事業区分としては、パッケージ食肉事業、新鮮な豚肉事業、豚の養殖事業、その他家禽の処理や物流サービスがある。
1995年に米国のJohn Morrellを、1999年からはポーランドのAnimexを、2004年にはルーマニアのComTimを買収し、米欧それぞれで事業を行う多国籍企業となった。2013年には米国の豚肉生産最大手であったスミスフィールド・フーズを買収している。これにより、豚肉生産・食肉加工で世界最大手の座に上り詰めることとなる。2017年にはポーランドのPini、ルーマニアのElit、Vericomを買収した。
WH・グループは2006年に中国のプライベートエクイティファームであるCDH InvestmentsとGoldman Sachsに買収されたが、CDHはその後徐々に持分を売却している。
特徴
筆頭株主:Rise Grand Group Limited(興泰集團) 約36%
同銘柄の筆頭株主はBVI籍の投資会社である、興泰集團が務める。
配当利回り:約2 – 3%
外部格付け: フィッチ BBB+ / Moody’s Baa2(2021年5月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 288 WH GROUP
最近のトピック
新型コロナウィルスの流行によって、米国スミスフィールド・フーズの工場は一部停止され、生産量が落ち込むなど、経営の向かい風は強かった上、中国でもアフリカ豚熱(ASF)の悪影響が出ているものの、供給減少による販売価格上昇があり、売上は上昇傾向となっている。
ニュースピックアップ
U.S. pork processor seeks to delay court decision limiting slaughter speeds
Reuters
日本経済新聞
South China Morning Post
SankeiBiz
Chinese pork supplier WH Group says major investor CDH to sell 10.61 pct stake
Reuters
Wall Street Journal
Wall Street Journal
*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。