今回は、「投資の心得7箇条」ということで、普段投資をしていない人が何かに投資をしたいという意欲に駆られたとき、ふと振り返ってみるべき、チェックポイントを挙げてみたいと思います。

投資の心得7箇条

  1. 生活資金で投資をしてはいけない
  2. レバレッジ(借金)で投資資金を工面してはいけない
  3. 個人信用(金貸し)で儲けようとしてはいけない
  4. 絶対やった方がいいと人がいう投資はしてはいけない
  5. 誰かに紹介されたもので、報酬が不明瞭なものに投資はしてはいけない
  6. 正規の業者(証券会社等)を通さない投資をしてはいけない
  7. 法整備の不十分な国(例えば新興国)で投資をしてはいけない

1 生活資金で投資をしてはいけない

一般に、投資は余剰資金で行うべきとされています。そのためには生活資金と余剰資金の区別をする必要がありますが、明確に意識できている人は多くありません。例えば、「今投資しようとしている1,000万円は今後5年間全く手をつけられなくなっても問題ないか」と自分に問いかけてみてください。貯金が1,100万円しかないのに、1,000万円を投資に回せば、いくら将来のためとはいえ、今の生活が不安になる可能性があります。あるいはそれでも投資してもよいと思うのであれば、そのときはきっと「困ったら売って現金化すればいい」と思っていませんか。間違いなくそれは投資ではなく投機です。

2 レバレッジ(借金)で投資資金を工面してはいけない

投資とは資産を増やすための行為ですから、元手が多いに越したことはありません。逆に元手がなければ投資はできません。良い投資が見つかったときにそれを借り入れをしてまで挑戦したり、あるいは手元に現金を残すことを優先して借り入れをしたりする人がいますが、これはレバレッジと言います。やろうとしている投資に自信があるときほどレバレッジに頼りたくなりますが、これもまた投機的と言わざるを得ません。

3 個人信用(金貸し)で儲けようとしてはいけない

投資(融資)というのは資金を持つ人と資金を必要とする人の間で資金を融通することを意味しています。したがって、資金を必要とする人が現れたとすれば、一つの投資機会が生まれます。このとき、相手が個人であるならば、個人信用に投資をすることになりますが、本来銀行ですらなかなかやりたがらないことです。逆にそのような相手であれば高い金利を提示してくるかもしれません。変に義理立てして特別な金利にはしないかもしれないかもしれません。曖昧なことを嫌って契約書をきちんと整えたところで個人信用は個人信用です。信用力を評価することほど難しいものはありません。

4 絶対やった方がいいと人がいう投資はしてはいけない

普段あまり投資をしていないのであれば、誰かのお墨付きをもらっているもの、あるいは誰かがやっているものに投資をすることを考えるかもしれません。もちろん、人にアドバイスを求めることは否定されませんが、もし仮にその相手が「これは絶対にやった方がいい」というのであれば少し立ち止まって考えるべきです。ひょっとしたらその相手は熟慮の末にそういうことを言っているのかもしれませんが、その熟慮をあなたはしていませんし、リスクのない投資はありません。何がリスクなのかを考えることを放棄してしまうような状況は避けて通るべきです。

5 誰かに紹介されたもので、報酬が不明瞭なものに投資はしてはいけない

投資をするにあたって誰かに聞いたのではなく、相手から積極的に投資を紹介されることもあると思います。自分で投資機会を探せる人ばかりではありませんからこれ自体は否定されるべきではありません。ただし、その相手は「なぜ、あなたに、投資を紹介してきたのでしょうか」、このことを考えることは大事です。もちろん、金銭的メリットが背景にある場合もそうでない場合もありますが、人はポジショントークをする、ことは知っておくべきです。もしその投資と相手方の関係性に不自然さがあるのであれば、報酬がどのような方法でいくら発生するのかを聞いてみましょう。はぐらかされたなら深追いせずに引き返すことが大切です。

6 正規の業者(証券会社等)を通さない投資をしてはいけない

世の中には、誰にでも提供されている投資機会と、特定の人にしか提供されていない投資機会があります。後者の方が魅力的に見えるかもしれませんが、後者の方は正規の業者(証券会社等)を通さずに提供されていることも多く、適切な投資なのかを判別することが難しい傾向にあります。また、正規のライセンスを持つ業者であれば、一定水準のコンプライアンス意識はありますし、顧客から報酬の内容について聞かれた場合、答える必要があります。もちろん、正規のライセンスを持つからといって良い人ばかりではありませんが、少なくとも間に立った業者が消えていなくなることは多くの場合避けられるはずです。

7 法整備の不十分な国(例えば新興国)で投資をしてはいけない

投資とは法的な権利の主張に他なりません。投資元本を適切に使うことも、投資家にリターンを提供することも十分な法律の後ろ盾があって初めて成り立つものです。世界の金融都市に金融機関が集中するのは、投資活動を適切に保護するための仕組みが整備されているからです。例えば新興国の不動産などは未開発の地ゆえに投資リターンがありそうに感じますが、いざとなったときにそもそも投資契約の履行義務があるかどうか分かりません。あるいは法律が変わってしまう、法律を上回る、例えば政治的な圧力がかかる、などといったことも考えられます。

投資の心得は成功法則ではなく危機回避

以上のようなケースに当てはまったとしても成功する投資というのはもちろんあり得ます。ただし、基本的にはリスクが高く、案件の選別のために弁護士や税理士を雇うことが必要になってくるような性質のもの、と考えた方がいい、という意味です。

投資はリスクとリターンのバランスですが、過度なリターンの期待を持つことは過度なリスクの受け入れに繋がりやすいと言えます。投資はリスクを取ることと自分を納得させる前に、適度なリスクの範囲とはどのようなものなのか、を心得ておくことが大事です。

例えば10年間海に一度も行っていない人がある日突然スキューバダイビングをしたらどうなるでしょう。もちろん絶対に楽しめない、とまでは言いませんが、慣れていないので危険な行動をとりやすいですし、何かあったときに対処方法を咄嗟に思いつくこともないでしょう。

投資にもステップがあり、何がリスクで何がリスクでないのかを正常に判断する力を身に付けること、そして今の自分がどのような状態なのかを客観的に見る力、ある種の危機回避行動を必要とするのです。