資産運用とは自らの資産を何らかのリスクに晒すことを意味します。利益は当然ながら保証されませんが、どのようなリスクに晒されるのかを知ることで損失の可能性を少なくすることができ、長期にわたって資産運用を継続することに繋がります。

資産運用における失敗には典型的なものがいくつかあり、誰しもが経験するものだと思ってよいです。何度も同じ失敗をする人もいれば、一度した失敗を次に繰り返さない人もいますし、予め失敗する事例をたくさん学んで極限まで失敗を減らす人もいます。失敗から学ぶという経験は何も資産運用に限ったことではないですよね。

ここでは資産運用のよくある失敗原因を挙げ、投資行動に反映させるための対策について考えてみます。

資産運用のよくある失敗原因

目標や目的を定めていない

資産運用の目的は「お金を増やすこと」と答える人もいるかもしれません。あるいは「周りの人に勧められたので自分も」という人もいるかもしれません。つまり、目標や目標があるようで実際はない状態になっています。この点が曖昧であると「資産運用が楽しい」のような刹那的な要素が意識され、続けられなかったり、あるいは損失を出してひどく落ち込んだりします。

投資先を限定しすぎている

資産運用とは確かに資産が増える場所を見つけて投資することです。したがって、勝ちか負けの当てっこをしている気分になり、「どう考えても絶対勝てる」あるいは「この投資が最も勝つ確率が高い」というような過剰な自信のもとに、投資先を限定することがあります。しかし、投資先が集中していると、その絶対の自信が崩れたときに脆く、そして取り返せない損失を負っていることがしばしばあります。

投資の中身を理解していない

金融機関の担当者や、あるいは投資に詳しい友人に勧められるがままに投資商品を買う、というのも考えものです。もちろん自分で選ぶより勧めてもらったものがいいものだ、ということはありえますが、資産運用はどこまでいっても自己責任です。基本的な、最低限の知識がなければ、場合によっては詐欺まがいの商品に手を出してしまうかもしれません。

ハイリターンを狙いすぎている

資産運用は確かに利益を保証しないですし、実際の損失の規模も分かりません。投資資金とは100%吹き飛んでもいいお金とまでいう人もいます。言うは易しですが、実際に100%吹き飛んだ場合、多くの人は困ります。場合によっては投資資金に生活資金が紛れ込み、慌てて投資資産を取り崩すようなときに損失を被ることだってあります。そういうときに限って、少しでも生活が楽になるようにといきなりハイリターンな投資をしすぎて、リスクに目が向かなくなるものなのです。

損失を取り戻すことばかり意識している

利益が出ることよりも損失が出ることを人は強く意識します。もともと損失が出る可能性があることを頭では分かっていても、実際に損失が出た場合の思考というのはそのようなのです。まずは損失を埋めなければという焦りの感情に流され、冷静な判断を失うことはしばしばあります。投資を始めるときは、損失も出ることを分かっていたのに、いつの間にか利益を出すことに傾斜してしまい、結果として合理的な判断ができず、さらなる損失の拡大に繋がることは言うまでもありません。

資産運用で失敗しないための対策

目標や目的を事前に定める

資産運用は“運”の要素がないわけではありませんが、目標や目的に近づいていくことは必要です。そしてその目標や目的によってとるべき資産運用の手段は変わってきます。手段を間違えれば目標や目的に近づいていくことはありません。例えば、子どもの教育資金、退職後の年金、などですが、同じく「必要なお金」でありながら、準備にかけられる時間や金額の規模感は違っていますよね。

リスク分散を意識する

分散すればリターンが減るので嫌だという人がいますが、確かにそういう面はあります。一方で、目標となるリターンを達成する方法が複数あるのであれば、最もリスクの低い資産運用を選びたいと思うのが人間ではないでしょうか。一部の投資では損失が出るかもしれないという仮定のもと、様々な資産にリスクを分散して投資できれば、資産全体としては安定した運用が可能になります。

理解できる範囲での投資商品に限定する

投資商品にも分かりやすいもの、非常に仕組みが複雑なものなど種類が様々あります。誰かが投資をして上手くいったものに投資をするという発想の人がいますが、またやっても同じように成功する、という保証はありません。商品の説明はちゃんと聞くべきですし、自分で調べるというのも大切なことです。もし理解ができない投資商品があったのであれば、あえてその投資商品を選ぶ理由はありませんし、理解ができなかったことを恥じる必要もありません。分からないものには手を出さない、これはとても重要なのです。

リスクとリターンのバランスを意識する

投資をしようとしている商品はどのくらいの期待リターンなのでしょうか。そしてそれに見合うリスクの量はどのくらいなのでしょうか。もちろんどちらも期待値にはすぎませんが、取引のルールを定める上では非常に役に立ちます。リスクとリターンのバランスを意識したとき、一つの投資商品に固執せず、俯瞰的にマーケットを見渡して、より良い選択肢があることにも気付けるはずです。

資産間のリバランスを大切にする

複数の資産に分散して投資をすると、時間が経つにつれて、資産間のバランスが崩れていきます。損失が出たのはあなたのせいでしょうか、恐らく違いますね。市場環境が一部の資産にとってよく働き、別の資産にとっては悪く働いた、ただそれだけです。

このとき、パフォーマンスのよいものを残し、パフォーマンスの悪いものを切る、という人がいますが正解とは限りません。なぜパフォーマンスがよかったのか、そして悪かったのかを踏まえ、それが当初の想定と異なっている場合のみ切り、残りはリバランスする方がよい場合があります。つまり、パフォーマンスのよいものの一部をパフォーマンスの悪いものに移し替えるのです。これによりポートフォリオのバランスが保たれることが長期的には大切です。

まとめ

資産運用に失敗はつきものです。しかしその学びの過程で脱落してしまっては意味がありません。時間をかけて資産を伸ばすと決めたなら辛抱強く取り組める方法を見つけることが肝心です。失敗の多くは人間の自然な行動ですから、自分自身で抑制し切れないこともあります。その場合には、信頼できるアドバイザーについてもらい、冷静な判断ができるようサポートしてもらうと良いでしょう。

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