オフショア投資という言葉、聞いたことはあるでしょうか。本稿では、オフショア投資の特徴とメリット、デメリットをまとめてみます。

オフショア投資って何?

資産運用をしようと思ったとき、何に投資をすべきか考える人は多いものの、そもそも別の国のサービスの方が優れているのではないか、と考える人もいることをご存知でしょうか。

この自国以外の金融市場での取引のことをオフショア取引、そしてそこで提供される投資機会のことをオフショア投資と呼びます。

一般的には、香港のように、投資による利益に対する課税がない、またはほとんどない、いわゆるタックスヘイブンで提供されています。資産を増やす上で、税率が高いと非効率である、このことは既に理解しているでしょうか。効率的に資産を増やすために選ばれている国と地域がある、という話なのです。それは知っているか知らないかの差です。

オフショア投資のメリット

豊富な投資機会

オフショア地域には世界中の金融機関、運用会社が集まっており、国際金融センターと呼ばれることもあります。

金融商品もまた、市場で取引されるものである以上、その商品の”生産”と”流通”が集中している場所があるわけです。そこから離れるほど、あるいは国を跨いで”輸出”するほど、アクセスできる数と種類が少なくなっていくことは想像に難くありません。

目の肥えた投資家がオフショア地域でどのような選択をしているのかを知ることは必ず投資活動に活きてくると言えるでしょう。

税制上のメリット

低税率のタックスヘイブンだとしても、そこに住んでいるという人ばかりではないでしょう。もちろん住めば最大のメリットを享受できるわけですが、その他の国からアクセスすることがメリットがない、とまでは言えません。

そもそも、税率の高い国では税控除ができるかどうかを気にして、資産を伸ばすということに目が向かない人がたくさんいます。

オフショア地域では資産を伸ばすことしか考えていないので、場合によってはその他の国からアクセスすれば税金も増えます。でも税金が増えるのは利益が増えたからである、というケースがほとんどでしょう。その上でどのような投資の仕方が税制上メリットを受けやすいのかを考えられることが大切です。

オフショア投資のリスク

情報収集の難しさ

オフショア投資は誰もがやっているわけではありません。同僚や友達に聞いて得られる情報とはちょっと違います。もちろんそうした感度の高い人たちの集団に属すれば話は変わってきます。現実には、より投資の本場に近いところにアクセスしているわけですから、相当の数の人が利用しているのは事実です。

ただ、それが英語で発信されている状態だったりすると聞こえないし、聞いたところで理解できていないだけ、ということでもあります。実際、英語の壁が越えられると情報の質が違います。国際金融サービスの公用語はそもそも英語。当たり前といえば当たり前です。

日本語でもある程度は情報は見つかりますが、情報が古かったり、あるいはそういう言葉の壁を利用して正しい情報を意図的に曲げて伝えられているケースもないわけではありません。

判断の難しさ

情報が少ないし、客観的でないと、意思決定や判断が難しくなります。逆に、オフショア投資は素晴らしい、という偏見を持ってしまうと、手数料の高い商品であることに気づかなかったり、あるいは詐欺的なスキームに出会ってしまうことにも繋がります。

あるいは実際は有名だし、ちゃんとした会社やサービスであるにも関わらず、本人が聞いたことがない、見たことがない、という理由で不審に思ってしまうことだってあります。別に悪いことではありません。日常生活で利用するサービスの多くは、CMでよく見ている、みんなが使っている、どこにでもある、を通じて安心を感じているわけですから。

外国為替リスク

国を跨ぐと通貨が変わる、というのは海外旅行に行けば知っていますよね。でも、他国の通貨の動向を普段気にする人はさほど多くありません。

どのくらい変動していると思いますか。週間、月間、年間の数字出してみるだけでも少し実感が湧いてきます。かなり動いていると思いませんか。

オフショアというからにはほとんどの場合、他国の通貨になります。したがって、外国為替リスクというのがあり、投資自体が成功しても、通貨変動によって損失を被ることも十分考えられます。

一方で、オフショア投資を行う人の多くは、この通貨の違いを利用して資産保全をしている、という面もあります。リスクは人によってはリスクではない、という話です。ちょっと難しいでしょうか。ここでは深入りはしません。

オフショア投資で得られる安心と安定

どんな投資にも大なり小なりリスクは必ず存在します。

そのリスクの多くは将来が不確実であることによって起こるわけですが、皆さんの将来ですらそもそも約束されているものでしょうか。多くの人にとっていつ何をするのか決まっていないし、そのときに世界がどうなっているのかも分からないのではないでしょうか。

ただ、資本主義の社会に暮らし、お金を得て、そしてお金を使って生活しています。だからお金があることは大事だし、十分なだけのお金がなければ苦労し、逆に十分得られれば安心と安定を通じてできることが格段に増えます。

オフショアはリスクを取る人たちの集まり?そんなことはありません。むしろいかにリスクを取らずに資産を伸ばし、保全するかを考えている人の方が多いかもしれません。オフショア投資は敬遠すべきものではなく、知った上で自分自身にどのようなメリットとデメリットがあるのか考え、実践していくことが大事なのだろうと思います。あくまでツールですから、上手く使う人ほど得るものが大きいです。

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