海外オフショア投資には国内にはない優れた商品が多いという意見がある一方で、失敗談が溢れかえるのは一体なぜなのか。

海外オフショア投資とは何か

海外オフショア投資とは、国内では認可を得ていない商品であり、国内のライセンス業者が正規に取り扱うことのできないものを指す。

認可がなく、取り扱いができないのに、なぜ契約ができるのか不思議に思うのはおかしなことではない。口コミだったらいいだの、ただの紹介だったらいいだの、途中に誰が挟まろうと最終的に行き着く商品が良ければいいだの、と風説はあるが、それゆえに海外オフショア投資には失敗がつきものである。その主な理由を探っていく。

オフショア投資に関する誤解

オフショア投資には国内投資にはない特徴を持つものも少なくはないし、オフショア投資自体は国内からみれば外来種かもしれないが、海外に来てみればありふれたものである、というのはよく言われる。ただ、海外にいても怪しいものは怪しい。

一方で、オフショア投資だから魅力的な利回りだとか、オフショア投資だから元本保証ができるのだとか、そういう一線を越えた感覚を持つべきではない。

もちろん中には優れた商品も含まれてはいるが、オフショア投資全体を礼賛するようなものに出会ったなら、一歩下がって立ち止まって考えるのが吉であると言えるだろう。

オフショア投資における詐欺

オフショア投資かそうでないかで詐欺かどうかが分かるわけではないが、オフショア投資のような、珍しい案件を好む人の周りにはいくらか詐欺的な案件も巡ってくる。利回りが高いものを求めてしまうと、ポンジスキームのような自転車操業案件に出会う確率も高くなるわけである。

詐欺的な案件の場合、インターネット上にネガティブな口コミが出始め、詐欺か詐欺でないかを議論し始める。もちろん、そこで詐欺だと断定できることは多くない。なぜなら被害者が出ていないからである。

しかし、それは一つの前兆であるのは間違いはなく、詐欺的な案件を避ける上では実は大切なことであったりはする。もちろんその中には詐欺でないものもあるだろうが、投資家として詐欺を回避することは理屈ではなく本能的なものである、とは言えるだろう。

よくできている、と思えるスキームほど、大元の責任者に辿り着こうとすると名前も肩書きも出てこないことはよくある。赤信号であるのは言うまでもない。

オフショア投資における失敗

仲介・紹介してくれた人頼みになる

国内で正規に取り扱うことができないのに契約の手助けをしてくれる人がいる、というのは実に奇妙な状況であるが、信頼できる友人や、あるいは信頼できるアドバイザーから裏技のごとく紹介されたからというだけで契約してしまう例はある。もちろん、好意であることは否定はできないが、正規に取り扱っていないことはすなわち主たる責任を負うことにはなり得ない。

一旦はじめてしまえば後はそれほど苦ではないとは思うが、紹介してくれた人はあなたの担当者ではないのだから、いついなくなってもおかしくはない。結果、契約だけが残ってそれをどうしていいか分からない、という事態に陥る。

商品設計をよく理解していない

国内であってもよほどの物好きでなければ金融商品の設計というのは完全に理解できる人は少ないだろう。いくばくか営業員に頼って意思決定をしている人は多い。

海外オフショア投資の場合、理解しようと思ってもそもそも英語で書かれた内容であるし、かいつまんでみるにしてもボーナスや元本保証など、巧妙に納得させられる条項は少なくない。商品自体が悪くなかったとしても、商品設計をよく理解していないということはある。

リスクを過小評価している

海外オフショア投資は当然ながら銀行などの店頭では手に入らない。その意味で新鮮さを感じ、前のめりになってしまう人もいる。しかし、投資商品である以上、リスクはつきものであり、どのようなリスクがあるのかを理解しておく必要がある。

外貨建てで取り組むのであれば外国為替リスクは小さくない。あるいは投資内容が十分に情報開示されていないにも関わらず、口頭での説明を受けて納得させられてしまい、結果としてそのような投資はやっていなかったということにもなりかねない。

あるいはリスクとして説明を受けてもそれが大きいのか小さいのかを測る尺度を持ち合わせていないことだってあろう。

オフショア投資についてのブログの位置付け

オフショア投資に関してはブログが非常に多い。しかも実際に誰が書いているのか分からない匿名の投稿も多い。

どういうモチベーションなのかは書き手によるだろうし、言論の自由はさておき、そういう情報だけをもとに意思決定することは巡りめぐってオフショア投資の失敗の確率を高めるのは間違いない。書いてあることが正しいという保証はないのである。

認可があってライセンスのもとに取り扱いができる業者の場合、個別具体的な商品を取り上げて説明を行うことは厳に慎む傾向がある。なぜなら、そもそもその商品のための販促資料や商品説明資料は大元の会社がきちんと管理しているからである。

商品名を出した上で、それ以外の情報が出された場合、勝手な解釈にすぎず、大元の会社からは許可されていないケースが多い。正式な販促資料や商品説明資料が出てくるのであれば、それは営業活動であるし、そうでないならば口コミの領域は出ない。

オフショア投資はただでさえ情報が少ないのだから、正しく理解している人はそもそも少ないと考えるべきであろう。正しく理解していない人から話を聞いて正しく理解することなんてできるわけがない。

もし投資の失敗を疑うのならば、必ず投資商品の契約書にどう書いてあるかを確かめることが肝心である。ちゃんとした商品なのであればしっかりと説明があるし、リスクについてもハイライトしてくれている。

正しい相談窓口へ

正しい商品説明が受けられる、困ったときに誰に相談すればよいかが分かる。

こうした至極当たり前のことがオフショア投資では難しくなっている傾向がある。入り口のところで認識できなかったリスクがあるのであれば契約後でも構わないので、時間を割いて正しい相談窓口に辿り着くようにしてもらいたい。

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