海外に来れば魅力的な投資商品に出会えるのではないかと期待する人がいるが、投資家としての自分が背伸びをしていないか、あるいは盲目的になりすぎていないか、是非冷静になって考えてみることで、海外投資の詐欺は見分けることができるのではないだろうか。時々相談されることがあるので、少しだけまとめてみた。

“詐欺的な”投資勧誘

正規の金融取引業者であっても、積極的な勧誘、強引な勧誘がゼロなわけではない。実際、優れた営業員の中にはセールストークが巧みで、結果として顧客と営業成績に恵まれることもある。

あるいは金融取引業者の中でも、実はその投資商品のことをあまり知らなかった、ので誤解をさせてしまった、ということもあり得る。

それに、どのような経緯であれ、投資商品が優れていたのであれば、強引な勧誘も結果としては気にならないかもしれない。

一方で、私はお話した投資商品を販売していないです、投資情報を共有しているだけですと言われた場合は、説明責任を負っていないことも同時に意味することには注意したい。

にもかからず投資勧誘されている、と感じた場合は、詐欺的な投資勧誘であることを疑うべきであろう。

SNS・アプリ・出会い系を通じた海外投資詐欺

SNS・アプリ・出会い系では、もともと相手と関係を築くこと、保つことを目的としているため、会話において妥協をしやすい。

相手が日本語を使っている限りにおいて、自然な会話を続けることを強要されることはある。会話から逃げれば相手との関係が切れるからである。

ただし、コンタクト先を交換してすぐに「お金を貸してくれませんか」「投資やってみませんか」などお金の話が出てきたら赤信号である。日本だと明らかに怪しいが、海外だとそんなこともあり得るか、などという勝手な解釈は避けるべきだろう。

それに、会ったこともない以上、相手が本当のことを言っているかどうかは分からない。

そんなやりとりに付き合った結果、SNS・アプリ・出会い系を嫌いになって、出会うべき人と出会えなくなる可能性を摘むべきではない。

手数料の高いことは詐欺か

世の中には手数料が高いと感じるサービスが数多く存在する。例えば、レストランに行って全然美味しくなかったのに、料金は高かったというケース。弁護士の先生と少し話をしただけで、莫大なタイムチャージの請求が来た、などの不満は絶えない。これらは果たして詐欺だと言えるのか。

ここでは法律的な論争をしたいわけではないが、このように、受けたサービスと費用の認識ギャップは世の中に存在する。高い壺を売りつけられる、などもその一例だろう。なんで買ってしまったのかと後で後悔することも少なくない。

まとめると、価値を決めるのは買い手であり、売り手でもある、ということに尽きる。このサービスに対してはいくらなら払っていいと買い手が言ったとしても、逆に、いくらを払ってもらえなければ仕事の依頼を受けない、と売り手が言うことは当然ながらあり得る。買い手が自分の価値観を信じるならば、その価格で提供してくれる別の売り手を探せばいいだけだ。一方で、売り手がなぜその価格を提示しているのかは興味を持ってもいいかもしれない。ただ、手数料を高く設定しているのではなく、それに見合ったサービスを用意しているのであれば、そもそも買い手がそれを高いという道理がなくなる。

海外投資詐欺を防ぐポイント

自分名義の口座以外にお金を送らない

投資とは誰かにお金を預けることである、というのは半分正しく半分正しくない。もちろん相手にお金を渡すタイプの投資がないわけではないが、もし詐欺の心配をするならば、自分名義の口座以外にお金を送らないことを意識すればリスクの大半は防ぐことができると言えよう。他人に渡してしまえば他人のお金になってしまうからだ。

海外送金をしやすくするため、などと理由をつけて自分名義以外の口座に送らせる例もあるようだが、避けて通るべきものであることは言うまでもない。

理解の及ばない投資商品に手を出さない

投資商品を全て理解し切るのは難しい、しかし理解の及ばない投資商品に手を出さないことは重要だ。この匙加減は非常に難しい。一般には一定のリスクのスクリーニングをかけることになる。それはリスクを回避することではなく、リスクを認識することである。その投資商品にどのようなリスクがあるかを洗い出すわけだ。もしそこに外国語という壁があるのであれば、安易に日本語訳に頼ることなく、原文にあたることができるかを自分のハードルに課してもいいかもしれない。

海外の業者を利用するときはライセンスチェックする

担当者や業者のライセンスチェックを怠らないことだ。できれば直接聞くとともに、客観的な情報を突き合わせて照合する。相手の名刺、相手の署名、契約場所、相手の顔を認識すること。これらは金融取引業者が顧客を認識する方法と同じであり、顧客の側からも金融取引業者にチェックを入れることは可能である。しかも、これは最初だけでなく、取引の度に毎回確認すべき類のものである。チェックを断られるようなら、取引をする理由がなくなるだけの話である。

どこからが詐欺なのかは分からないと心得る

詐欺かどうかが分かるのは投資資金が返ってこなかったときだけである。したがって、怪しいと思っても詐欺であると断定はできないし、詐欺だと言ってしまうと名誉毀損だと反論されるかもしれない。

詐欺はいつから詐欺なのか。詐欺だと決めるのは一体誰なのか。

もちろん詐欺の意図があれば最初から詐欺かもしれないが、人徳者であってもある日突然おかしなことを言い出さないとは限らない。詐欺とはいつのまにか詐欺なのである。考えることに一生懸命時間を割きすぎて神経を擦り減らさないようにしたい。

心配しなくても、もっと魅力的な投資機会は必ずある。あれ?と思ったそのときが引き際である。