私自身も職業上の知識の習得のためにセミナーに参加するし、あるいは主催者側としていくつかのセミナーを開催してみて、得られた経験もある。情報収集の過程で開催されているセミナーに参加する人は多いが、果たしてどのようなメリット・デメリットがあるのか、おさらいしてみよう。
目次
セミナーのメリット
初めましての方のハードルは下がる
何か自分から仕事を依頼するほどニーズがあるわけではないが、話は聞いてみたい、というときにセミナーは入り口として便利です。参加するのも自由ですし、途中で離脱するのも自由です。自分がいなくてもセミナーは成立するので、あまり気を遣わなくても大丈夫です。
他の人の意見も聞ける可能性がある
セミナーはそもそも複数の人を対象にしたイベントなので、自分だけにフォーカスしていません。1対1だと自分が質問しなければ出てこない内容も他の人が聞いてくれるかもしれませんし、そもそも他の人がどのように考えているのか、一般的な話を聞くのには適しています。何を聞いたらいいかは分からないが概要を知りたい、考えるきっかけが欲しいという人には向いています。
興味のある人だけが集まる
セミナーの募集においてはタイトルや要約が書かれています。もちろん全ての内容がそこにあるわけではありませんが、自分が関心のあるテーマなのかは少なくとも分かります。向こうから営業をかけられるわけでなく、自分の意志で申し込めばいいので、興味のない内容はスルーすればいいだけです。
セミナーのデメリット
日時や場所に制約を受ける
セミナーには必ず日時や場所が指定されますので、たまたま都合がつかないというケースは十分あります。どんなに興味があっても別の予定があっては参加できませんし、あるいはそのセミナーに参加するために他の予定を諦めなければならないかもしれません。ウェブのセミナーであれば、家からでも、あるいはお子さんが近くにいても、何か用事をしながらでも参加できますが、これも日時指定はあります。もちろん録画をしたセミナーというのもあり得ますが、これが不思議なもので、「いつでも見れる」セミナーは時間をとって見る人が少ないと考えられます。
一方向のコミュニケーションになりやすい
セミナーは複数の人に向けて発信するので、話す内容が最初に決まっています。質疑応答の時間をとったとしても、大きく内容がそれることはありません。参加者は何もリアクションしなくてもセミナーが進むので楽と言えば楽ですが、ひたすら話を聞くだけで満足できるかは分かりません。できるだけ主体的に考えて、会話に参加できる方が、最終的に得られるものは多い傾向があると言えるでしょう。
キャンセルが出やすい
セミナーは1対1の商談と違ってキャンセルをしても相手に迷惑がかかることはあまりありません。そのため、気分が乗らないといったくらいなことでもキャンセルに向かいやすい、というのはあります。実際、セミナーで話す内容というのも、そのときに聞かなければ絶対に手に入らない情報であるケースは稀です。
無料セミナーに期待しすぎない
セミナーは確かに一つのサービスではありますが、逆にいえば接点でしかありません。特に無料のセミナーは単なるきっかけなので、その中で得られるものはほんの一部であることは知っておくべきでしょう。ほんの一部でも有意義なことはもちろんありますが、より価値のあるサービスを受けるためには費用が発生することになります。
セミナーを上手く活用する
以上のようにセミナーにもメリットとデメリットがあるわけですが、セミナーだったら参加したい、という人も一定数いるわけです。それは聞いて情報を集めることに対してのモチベーションがあることを意味しています。
セミナーを上手く活用するコツは、能動的になることです。もちろん自分ばかり質問しては他の方の機会を奪うかもしれませんが、セミナーに主体的に参加することは悪いことではありません。聞きたいことをしっかり聞いて満足することこそがセミナーが成功した何よりの証であり、それは主催者にとっても参加者にとっても最良のゴールだからです。
セミナー以外の方法を検討する
セミナーを開催するには一定数の集客が必要です。つまり、該当の日時、該当の場所で、該当のテーマに対して集まるであろう母集団が想定されない限りセミナーの開催には至りません。特にリアルのセミナーの場合、参加者が少なければ会場代などで損失が出ることもあり得るからです。
したがって、やっているセミナーを探して、運が良ければ出会いますが、それが本来求めているものかまでは分かりません。セミナーはやっていなくても個別の相談は受け付けているケースは多く、逆にその方が聞きたいことを聞けるかもしれませんので問い合わせをする価値はあるわけです。セミナー以外の方法も検討してみるとよいでしょう。