投資を行うにあたって、金融資産と実物資産の違いが気になる人はいると思います。上手くバランスが取ることをおすすめしたいところですが、まずはそもそもその代表格である不動産投資の成功について話をしてみます。
目次
不動産投資とは
投資と聞くと、株式をイメージしたり不動産をイメージしたりする人が多いように、不動産は一般的には投資の対象になっています。株式市場は国によっては発達していませんが、より多くの国に存在するのが不動産市場です。
市場には新しく生み出されたものを扱うもの(プライマリ市場)と、既にあるものを流通させるもの(セカンダリ市場)があり、セカンダリ市場が大きいと取引量が大きくなり、より多くの人に認知されます。
不動産とは土地や建物を指すわけですが、これらに私有権がなければ勝手に取引をすることはもちろんできません。先進国では、持ち主を登録することによって、その権利(と義務)を保証することになっているわけです。発展途上国においては、この権利の保全が確実ではないので、それなりのリスクが伴うと言われます。
海外不動産という機会
私の場合、投資ポートフォリオの中に海外不動産を組み込まれているお客様を見ることは珍しくありません。よく見つけられるな、というくらい様々な地域が投資対象になっています。日本の不動産と比べて海外不動産は余計な手間や不安もつきまといます。もちろん通貨リスクを背負ってはいますが、日本と違って不動産を通じてキャピタルゲインが出ていることもしばしばです。
残念ながら海外不動産は誰にでも勧められる投資ではないと一般的には考えられます。そもそも不動産は投資金額が大きくなりがちですし、住んだこともない土地について与えられた情報が正しいかどうか判別できるとは考えにくいため、海外不動産の場合はやはり信頼できる筋から案内があったときだけ、ということなのかもしれません。
ただ、同じ不動産という投資対象の中でも、もっと魅力的な国や地域、物件があるのではという発想自体はとても重要だと思います。
想定外の諸経費に備える
不動産投資にあたっては様々な費用がありますが、小さな費用も積み重なれば無視しづらいですし、想定外に大きな費用がかかればせっかく積み上げた利益も消失してしまいます。
不動産投資を維持するのにかかる費用を正確に教えてくれることはあまりありません。売買に関わった業者は売買さえ完了すれば基本的にはお役御免だからです。逆に、想定外の費用がつらくて売却するとなったらもちろんまた手を貸してはくれるかもしれませんが。不動産投資を維持するにあたって適切な情報、必要なサポートが手に入るかどうかは分からないわけです。
不動産投資は往々にして不動産経営そのものです。経営をするオーナーになると義務もつきまといますから、それなりの意識の変化を経験することになります。経営が楽なことばかりでないのは言うまでもありません。
不動産だから得られるもの
デジタル化が進み、AIが浸透し、タクシーが空を飛ぶ時代になっても、現在住んでいる「家」というものが人類にとって必要なくなることは想定しづらい、と思います。その意味では、不動産は手堅いのもまた事実です。
それに、不動産の場合は銀行が融資をしてくれます。上手く活用すれば、資産や収入をぐっと伸ばすことも可能です。
不動産は実物資産です。その場所に確かに存在することを確認しに行くことは可能です。似たような物件はあっても、それ自体は唯一無二だというのもポイントでしょう。
価値があるものを選ぶ
投資において最も大切なことは価値があるものを選ぶことではないかと思います。自分が買いたいと思うし、ずっと持っていたいと思うし、だから他人が欲しいと言ってくるものです。それが価値です。
もちろん低く買って高く売れればいいかもしれませんが、この価格の部分を誤魔化すと一周回って詐欺になってしまうわけです。価値と価格は一致していないことだってあります。
買った人も売った人も嬉しい。価値があるとはそういう状態ではないでしょうか。
不動産投資と金融投資のバランス
不動産投資に傾倒すると、例えばとことん借入を増大させていく人が現れます。もちろんどんな投資にもリスクが伴うわけですから、そういうリスクの取り方そのものを否定することはできません。
ただし、不動産投資以外の機会が転がっていたときですら、盲目的に不動産投資を続けるというのでは少しもったいない気もしないではないです。それに不動産を買ってしまったがためにそれ以外のことにお金が回らず、結果として不動産投資が失敗すれば人生も失敗する、くらいのリスクになってしまっていることだってあります。それでは堅実なはずの不動産投資もギャンブルに近い性質を持つことに他なりません。
不動産投資と金融投資では考えるべきリスクが異なっていますから、幅広く投資リスクについて学ぶことが結果的に不動産投資を成功させる近道にもなり得ると私は思います。事業経営だって、それだけを考えて視野が狭くなってしまっては行き詰まってしまうのは想像に難くないですよね。世の中のトレンドも変わっていくので、それに合わせた柔軟なポートフォリオを築いておくことが大事になってきます。