中芯国際集成電路製造 (SMIC)は中国上海市に本社を置く、半導体受託製造(ファウンドリ)の大手。半導体の国産化を目指す戦略的な柱。
目次
サマリ
中芯国際集成電路製造 (SMIC)は2000年創業、中国上海市に本社を置く、半導体受託製造(ファウンドリ)の大手。回線幅14nm(ナノメートル)のFinFETプロセス、同28nmのHKMG(高誘電率絶縁膜/金属ゲート電極)プロセスなどの開発を行ったものの、世界最大のファウンドリであるTSMCに比べると技術的な差は大きいとされる。半導体業界そのものの拡大が継続していることは追い風。
SMICは中国が目指す、半導体自給率向上のための戦略の中核を担っている一方で、半導体への需要が続く中、中国政府は、価格操作などへ目を光らせるなど、締め付けの強化にも動いている。また、米国は中国軍支援の懸念としてSMICを事実上の禁輸リストに指定しているが、さらに半導体製造装置の対中国輸出制限を強化することを検討しており、SMICへのさらなる影響が出る可能性が高い。
世界的な半導体不足のなかでは、様々な分野に影響が出ているとされており、SMICや華虹半導体などの大手は国内の企業向けの供給を優先する対応を行っている。
特徴
筆頭株主:Hong Kong Securities Clearing Company Limited 約55%
同銘柄の筆頭株主は香港取引所の完全子会社であるHKSCCである。その次に中国政府が保有するChina Xinke Groupが約12%を保有する。
配当利回り:0%
外部格付け: S&P BBB- / Moody’s Baa3 (2021年9月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 981 SMIC
最近のトピック
2020年12月、中国の軍産複合体の中で懸念される企業との関連が確認されたとして、安全保障上の脅威と判断した米商務省によって、エンティティリスト(輸出禁止措置)に加えられている。米国による制裁を受けて、華為技術(ファーウェイ)向けの半導体を生産できなくなったが、その他の顧客からの受注を獲得し、国内での生産機能拡張を進めている。
2021年12月には、米国政府がSMICへの半導体製造装置輸出制限の強化を検討するとの報道もあり、動向が注目される。
ニュースピックアップ
U.S. considers banning key exports to Chinese chipmaker SMIC
Reuters
Bloomberg
Semiconductor giant SMIC’s chairman resigns amid firm’s expansion plans, global chip shortage
South China Morning Post
Reuters
東洋経済新聞
日本経済新聞
*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。