お金にまつわる話はほとんど全ての人に関係がありますが、私にとって全ての人がクライアントになり得るわけではありません。
もちろん、人としての好き嫌いはあるかもしれませんが、ここでは一般論として、ファイナンシャルアドバイザーを必要としない人について解説してみようと思います。
ファイナンシャルアドバイザーを必要としないにも関わらず、会って話をしてみようという人も中にはいますが、話しながらきっと何かが違うことに気付いているはずです。
ボタンの掛け違いをする前に、ファイナンシャルアドバイザーが必要なのかそうでないのかについて考えてみることは有用だと思います。
目次
ファイナンシャルアドバイザーが不要な人
自分の力でやってみたいと思っている人
アドバイザーとはその名の通り、助言をする人です。したがって、他人のサポートが必要なければアドバイザーは不要です。シンプルですね。
大学受験、独学で勉強しましたか、それとも塾に通いましたか、独学しつつも学校の先生には頼りましたか。
多くのことは自分の力でできる範囲とそうでない範囲にいずれ分かれます。
自分の力でできると思うところに助言をされても人は価値を感じることはありません。自分の力でやりたいと思っている人に手を貸そうとしたところで手を振り払われるだけですね。
どんなに時間をかけても、そして失敗するとしても、とにかく自分でやることに意味を感じているのです。
他人の力を借りることの価値を見出せるか、他人の力がなければ八方塞がりだという状態でなければ、アドバイザーは本質的に必要ないのです。
具体例を挙げるならば、資産運用に興味を持ち始め、とりあえず証券口座で株式でも買ってみようかと思っている人。誰でもできることではありますが、何しろ初めてなので恐る恐る取り組んでいます。でも別に手を差し伸べて欲しいわけではありません。単に誰かがやっていたら安心して自分も飛びこんでみようというだけです。
あるいは熱心に情報収集をして最適な投資ポートフォリオについて時間をかけて考えることのできる人。投資は自己責任なのですから、勉強を重ね、できることを増やしていく過程は自主練そのものです。決して無駄ではありません。
自分の力でやれる範囲のことしか興味がない人
人間誰しもできることとできないことがあります。お金のことを考えるのが得意でない人もいると思います。得意でないことはやりたくないという人は多いでしょう。投資をやってもどうせ上手くいかないと思って何もしないという人もいますね。
では、アドバイザーは十分な知識がある人には必要ないかというとそういうわけではありません。
例えばテニスのコーチをイメージしてみましょう。最初はフォームを綺麗にしたくてコーチに教わりますね。そのうち友達とコートでプレーできるようになります。友達と遊ぶのにコーチは要りません。では、プロはコーチが不要でしょうか。これもまた違います。プロであるからこそコーチがついていることも多いですよね。トーナメントで勝てるほどに強いのになぜでしょうか。自分の力を十分発揮するため、そしてやりたいことに集中するためにコーチが必要になります。
でも、自分の力は十分に発揮できているのだろうか、やり方はあっているだろうか、このような視点に立たなければアドバイザーは必要ないでしょう。常にアドバイザーをつけておく方が安心だ、という人も中にはいますが、いつもいつも必要なわけではないことを本人は知っていてそうしています。
具体例を挙げるならば、資産運用をこれまでやったことがない人。やったことがなくて生きていけているので資産運用の必要性については実感がありません。
興味はあっても何から手をつけたらいいか分からないので、そのままの状態で放置されています。あるいは資産運用はリスクがあると知り、とにかくやらないと決めているケースもあるかもしれせん。
手間暇をかけることを厭わない人
アドバイザーもその仕事につくにあたって様々な勉強をし、日々新しいことを学んでいます。提供しているものは集大成でしかありません。
したがって、アドバイザーが提供するサポートも、一から追いかけたとしても自分の力でできない、というものでは決してありません。
もちろん人によって飲み込むスピードは違うかもしれませんが、手間隙をかければ同じ状態にまでもっていける可能性は十分にあります。その意味で、時間と労力を注げるのであればあえて他人の力を借りる必要はありませんね。
具体例を挙げるならば、金融機関で働いている人はベースとなる知識が比較的ありますし、勉強することにそれほど抵抗のない人が多いかもしれません。手間暇かければできることを知っているので、色々言いながらも自分でやってしまう人がいますね。
アドバイザーが不要と思う人に念のための確認
物事には主観と客観があります。自分の目に見えるものが全てとは限りません。人間誰しも自分自身のことは自分自身が一番よく分かっているという面と、自分自身のことだから自分自身では分からないという面があります。アドバイザーは人にアドバイスをする立場だから”できた人間”であって、アドバイスを受ける必要がない、というのも少し違う話なのです。
次に、機会損失はしていないか。例えば、知識を固めれば固めるほど、理解している範囲が増え人は安心をします。しかし、そもそもその外側に世界が広がっていることがあることも忘れてはなりません。生まれ育った地元で暮らすことも多分できますが、海外で暮らすことは果たして想像の中にあったでしょうか。選択肢とその影響について常にアンテナを張っておくことで開ける未来もあるのです。
お金の管理は本当にやりたいことか。細かな数字のことを考えるのが好きな人はいますが、ただ単にできるからやっている、というのであれば、誰かに投げることも考えてもいいかもしれません。
お金の管理が大事でないとアドバイザーとしては言えませんが、もっとやりがいのあること、あなたにしかできないこと、時間があったらやってみたいことは何かを考えてみることは発想の転換になり得ます。
最後に
色々な観点を挙げてみましたが、結局のところ自分で全部できる人は自分でやればいいのだと思います。ファイナンシャルアドバイザーという仕事は、外部からサポート・アドバイスをするものである以上、そこに価値を感じ、そして費用を払うモチベーションを感じてもらわないことには意味がありません。
「お金に関するパートで、他人の力を借りたいとしたらどこか」
明確にしてみるとファイナンシャルアドバイザーをうまく利用できるかもしれませんね。