吉利汽車控股(ジーリー・オートモービル)は中国の自動車メーカー。中国政府の支援も受けながら、海外買収によって急成長を遂げている。
目次
サマリ
吉利汽車控股(ジーリー・オートモービル)は1986年創業の中国の自動車メーカーで、浙江吉利控股集団(ジーリーホールディンググループ、Zheijiang Geely Group Holding Co. Ltd.)の傘下にある。乗用車、スポーツ多目的車(SUV)、新エネルギー車、電気自動車(EV)の開発、製造、販売を行う。
2010年には親会社の浙江吉利控股集団がフォードからボルボ・カーズを買収。2017年にはマレーシアの自動車メーカーであるプロトンの株式49.9%を取得し、プロトンの持つ英高級車ロータスの株式51%も譲り受けた。また、2018年にはメルセデス・ベンツを保有するダイムラー及びボルボ・グループの株式を取得し、筆頭株主となっている。
メルセデス・ベンツは2020年1月8日、浙江吉利控股集団との間で、次期スマートEVの共同開発のための合弁会社、「スマート・オートモービル」を折半出資で設立し、2022年の発売に備える。
創業者の李書福は、習近平氏が浙江省のトップだった時代から非常に仲が良く、政府の支援も受けながら、海外買収を進め、急成長を遂げたとされる。
特徴
筆頭株主:浙江吉利控股集団 約41%
同銘柄は浙江吉利控股集団の傘下にある。
配当利回り:0 – 3%
外部格付け: S&P BBB- / ムーディーズ Baa3(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 175 GEELY AUTO
最近のトピック
2020年、ジーリーはミャンマーの自動車販売代理店プレミア・オートモーティブ(PAL)を通じ、小型のスポーツタイプ多目的車(SUV)「クールレイ」の新車販売に乗り出すことを発表した。PALは、ミャンマーのキャピタル・ダイヤモンド・スター・グループ(CDSG)参加にあり、中国の中国第一汽車集団(FAW)ブランドの商用車を販売する。
浙江吉利控股集団参加にある、吉利汽車控股とボルボ・カーは正式に合併する計画があったが、2021年2月、合併を中止し、事業統合という形でシナジーを追求する方針に転換した。合併に伴う既存株主の調整と、組織的な対立と権力争いを防ぐことが目的であったが、果たして実質的なシナジーを達成できるのか不透明感はある。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。