投資における成功体験は重要であり、例えば日本で資産運用をしてもなかなか上手くいかない、としたら海外投資を、と考える人は少なくない。海外投資に関する相談は誰にするべきか、4パターンに分けて解説します。

海外”に”投資し「たい」場合

このパターンは、投資先が海外であることを望み、かつこれまで海外投資をしたことがない人がいたとしたら、という話である。日本に住んでいる場合は日本にいる資産運用アドバイザーに相談するのが第一の選択肢にはなろう。

近年は日本にいながらにして海外に投資をする術は比較的整っている。例えば日本の証券会社でも米国の株式やETFを買うことができる。あるいは資産の分散として海外の不動産を購入したいと思うこともあるかもしれない。

もちろん、海外で海外に投資するのと違って間に入る業者の手数料などにより利益が圧縮されること、あるいは商品ラインナップが限定的となることはあり得る。

金融商品とて結局は輸入物である、という側面はある。ただ、必ずしも不利なわけではないので選択肢としては有力だろう。

海外”で”投資し「たい」場合

このパターンは、投資先はともかく、海外に住んでいて、かつこれから投資を検討する人がいたら、という話である。あるいは、国外の金融市場に直接アクセスすることを目論む人も場合によっては含まれるかもしれない。

この場合は、海外にいる資産運用アドバイザーに相談することになる。

ご自身が海外に住んでいる、法人がある、など、海外で資産運用を考えるべきときはある。日本にいるときよりも知り合いは少なく、情報としては入ってきづらい。

とはいえ、主要な先進国であれば当然ながら一通りの金融サービスはあるので、あとは本人が生活に慣れ、資産運用を考えるだけの余裕ができることが重要になってくる。

新興国等に住む場合、国内の資産運用サービス、あるいは投資対象が整っていないこともあり、国外の資産運用サービスに目がいきがちだが、リーガルな問題がないか、などのチェックはあっていいかもしれない。

海外”に”投資し「ている」場合

このパターンは、日本に住んでおきながら、既に海外投資を始めているケースであり、何か悩むとしたら多くはその後の対応に関する悩みであるため、相談をしたいとしたら、日本にいる海外資産の専門家(弁護士、会計士、税理士等)を頼ることが多いのではないだろうか。

投資としてから現地の法令が変わっているかもしれないし、日本での税法上の取扱いが変わっているかもしれない。継続的なサポートが得られているかもチェックポイントの一つであろう。

海外”で”投資し「ている」場合

このパターンは、海外に住んでいる、などの理由で能動的に海外のサービスに直接アクセスしているケースであるが、当然ながら悩みはローカルなものであり、海外にいる海外資産の専門家(弁護士、会計士、税理士等)に聞くことにはなろう。

外国人に対して、英語で相談できれば理想的ではあるが、少しハードルは高いかもしれないし、細かな悩みとなるとやはり日本語でサービスを受けたい。

現地にいる日本人を辿っていくことも選択肢かもしれないが、日本人が現地での資格を持っているとは限らず、頼った結果、結局ローカルサービスに丸投げされる、という可能性もゼロではない。

まとめ

海外資産を扱う日本人は増えてはいるが、決して多くはない。

ここでは4つのパターンに分けてみたが、そうくっきりと分かれるものでもない。無理をして運ばれた海外の投資商品にはトラブルが多いのも事実ではあるよう。

かつては海外投資ブームのようなものが巻き起こり、当時は勢いよく取り組んだものの、結果として残ってしまったものが後になって対処しづらくなった、ということもあるようだ。

あるいは最近だと海外のFX業者や暗号資産取引業者などもウェブで気軽にアクセスできてしまうことがあり、サービス利用に対するハードルが低く見えてしまうことも挙げられる。

趣味程度の取り組みならばともかく、大切な資産の管理を、となってくればそれ相応のサービスクオリティと入念なプランニングは必要であると思われる。

私自身は香港で資産運用のアドバイザーをしているが、日本で同じことをするのと比べて、提供するものの「結果」と「出口」をより強く意識していると思う。一方で、金融商品のラインナップとしては実に豊富であるため、ここで悩むことはあまりない。

資産運用は長期にわたるのに対し、香港にいる人は多くが数年で出入りをする。この短いスパンゆえにローカルなサービスには手を出さないということも考えられるが、一方で何もしなければ貴重な数年を無駄にすることになる。

海外生活というのは人生における不確実性が増すことでもあり、守りに入りやすい局面にもなり得る。何も考えずに取り組めば全てが中途半端に終わることだってあり得よう。

海外におけるアドバンテージとディスアドバンテージを上手くコントロールできるようにすることは私の仕事の一つであると思う。

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