貯蓄と投資のバランスの取り方について正しく身に付いている人は決して多くない。投資嫌い、という一言で終わらせるのはアリなのか。貯蓄を離れて投資をする際に意識すべきことについてまとめてみる。

貯蓄ができる人

日本人は、貯蓄が習慣化されている人は比較的多い、と思います。もちろん中には日銭を稼いで生きている人も、給料日にパーっと使ってしまう人もいます。貯蓄がないので借りてまで使っている人も中にはいるでしょう。ただ、それは新興国で散見されるそれとは大きく異なるといっていいでしょう。

根幹にあるのは、大きなインフレ(物価上昇)が起こってこなかったこと、そして職業的な安全が確保されてきたことにあるのかもしれません。仕事が好きで一生懸命やってきただけで随分な貯蓄ができた、と答える人は相当数います。

シンプルに考えれば、人間に平等に与えられた時間のうち、お金を稼ぐ時間とお金を使う時間があるでしょうから、稼ぐ時間のほうが使う時間よりも長ければまずは貯蓄ができやすいと言えます。と同時に、稼ぐ時間での単価と使う時間での単価がありますから、短い時間で稼いだり、短い時間で使ったりすると、時間以外の方法でもバランスを変えることができます。

たくさん稼いでたくさん使う人もいれば、稼ぎは少ないが使うのも少ない人もいます。最低限の生活というのが人間にはある以上、入りの部分が少ないと貯蓄がしづらいのは事実ですが、結果的にどちらが貯蓄が多いか、というのは人によってまちまちです。

貯蓄ができる人というのはもちろん意識して一定金額を貯蓄している人もいますが、どちらかといえば、稼ぐことと使うことのバランスが自然体で取れている人、がそうなっているケースの方が多い気はします。

投資ができる人

今の世の中では、貯蓄は無意識にできるもの、投資は意識的にしかできないもの、となっています。なぜなら投資にはリスクがあるので、何も知らない状態で、無意識に飛び込んだりしないよう、ハードルが設けられているからです。つまり、投資は意識してアクションしてあげないと遠ざかる傾向がある、というわけです。

投資ができる人、という言い方をすると、優良な投資対象を見極められるスキルのある人、と置き換える人がいますが、必ずしもその必要はありません。意識的にしかできない投資ですが、習慣化することはできるからです。一旦習慣化してしまえば、それほど大変な作業ではないし、逆に毎回大変な労力と時間をかけてしまっているのであれば、それはまだ投資ができる状態には至っていないのかもしれません。

投資への労力と時間のかけ方に悩む人は結構多いわけですが、割り切って強制的にやってしまう、という選択をする人もいます。日々考えていたら前に進まないし、アクションせずにいるともっと早く動いておけばよかった、となるのは目に見えているからなのでしょう。最初から難しいことに取り組む必要はなく、徐々に高度なことに取り組むという姿勢でも十分だと思います。

貯蓄から投資へ、の本質

日本人が貯蓄好きだと言われる一方で、貯蓄から投資へ、という標語もよく聞くと思います。なかなか投資に足が向かわない、というのは本当なのでしょうか。

でもその前になかなか貯蓄ができない、と感じている人が多いのではないでしょうか。特に世代によって差が出始めているのも事実なのです。本来、貯蓄があるから投資へ向かうべきなのに、貯蓄を通り越して投資に向かう若者が多い一方で、貯蓄がある年齢層は投資への関心はそれほどなのかもしれません。そこには将来に対する危機感が関係していると思います。

自分は貯蓄ができる人なのか、投資ができる人なのか、考えてみてはどうでしょう。どちらかではなく、基本形としては貯蓄ができる人にまずはなるのがよく、その後に投資ができる人になる、という順序なのは分かりますよね。

ここでちょっと念押しですが、貯蓄ができる人と貯蓄がある人は異なります。後者はお金が十分にある、という多寡に関する判断が入っていて、お金が貯まったら投資をしましょう、という考え方になってしまいます。ある面で説得されそうな言い回しですが、貯蓄ができる人になっていれば、(少ないなと感じても)投資ができる人を目指すのは肯定できる、と私は思います。

逆に貯蓄がある人は、貯蓄があってしまうがゆえに貯蓄ができる人かどうかの判断をし損ない、一足飛びに投資ができる人に向かおうとします。結果、投資で失敗をしたり、投資に足踏みしてしまったりします。不思議ですよね。お金があれば正しく投資ができるわけではないのでしょう。

話を戻すと、一人ひとりが社会の構成員である以上、社会から様々なサポートは得られます。だから自分で財産を作らなくてもやっていけた面はこれまであったわけです。ただ、そのサポートが縮小されていくとしたら、自分で自分(あるいは家族)を支える仕組みを確保しておかないといけません。

投資には可能性があることを納得したが、何をどう始めていいのか分からない、という人は、まずは将来的にどのような財産があることを望んでいるのかを考えてみる作業から始めてみるといいかもしれません。それは貯蓄を続けるだけで達成できることかもしれませんし、あるいは投資がそれを助けてくれるかもしれません。投資もまた所詮はツールの一つに過ぎないわけですから、必要なものを必要なだけ取り組むことが大切です。

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