もっと早くに資産運用を始めていれば良かった、気になっていたあのときに投資をしていれば良かった、そう呟く人は少なくありません。なぜそう思うのか、資産運用には時間が経って気づくものが存在するからです。今回は資産運用を続けることの大切さについてです。

失敗を糧にできるかどうか

個人投資家が失敗しやすい、その一つの理由は気付かぬうちに投資が投機に変わってしまっているからです。

例えばカジノがギャンブルであることは多くの人が知っており、ギャンブルとは確率論的な答えが存在します。でも、実際にカジノでプレーする人はテクニックを駆使すれば勝てるし、優位に立てると思っています。そういう面もある、というのが期待に繋がってそれを続けるわけですが、いずれは確率論的な結果に落ち着きます。時間が経てば、実力だと思っているものの多くは確率的に説明できるものに変わっていきます。

投機が悪いとは言いませんが、投機は投機だと整理し、そして投資は投資だと整理しておくことが失敗を呼び込まない一つの方法なのです。

諦めないことは大切か

失敗を糧にすべきだというのは、そもそも前提を誤っていないかどうかを振り返るいいきっかけだからです。誰もが最初から正しい選択ができるわけではありません。でも時間が経っても正しい選択だったかどうかを検証していないとしたら勿体無いとしか言いようがありません。

長く続けることを前提にしたやり方だったでしょうか。それとも一時的に時間を多めに割いて、熱心に取り組むようなやり方だったでしょうか。

たまたま良い投資のタイミングがやってきたと、後になって振り返っている人も見かけます。一方で、自分には運が味方しないからと諦めている人もいます。

取り組んですぐに結果がついてくると嬉しいものですが、例えば3年経って何の利益も出ていなかったら失敗なのかというと、それは投資の前提次第です。5年後にやっと利益を得るような性質のものならば3年で結果を求めてもダメです。逆に環境が良くなれば戻るかもしれない、という淡い期待しかないなのであれば、つまり環境が良くならなければ戻らない、という前提なのですよね。

時間が経つとこれらの前提が不合理であるかどうかに気づきやすくなります。

投資マインドセット

今後も資産運用を続けるか悩む人は、投資した目的は何だったのか=なぜ投資をしたのか、をもう一度思い出してみると良いでしょう。当時の想いと今の想いは同じでしょうか。そして、その実現のためのツールとして、当時の選択肢は適切だったでしょうか。そしてこれからの実現のためのツールとして、今ある選択肢は適切でしょうか。

投資のリターンは約束されていないものの、目的と手段は一致させることが重要です。でなければ時間が経って得られる結果は、本来の目的とは違ったものになってしまうからです。

もしズレがあると感じたなら修正していくこと、それが資産運用を続けるということであり、そうすることで始めて、揺るぎない基礎が出来上がっていくのです。

投資から利益を得る

資産運用を続けるためのモチベーションの一つは利益を得ることではないでしょうか。数字上増えても(評価益があっても)それほど嬉しくないという人はいます。それは数字上だからというよりは、実際に利益を受け取る、あるいは利益を使って始めて実感が湧く面はあるわけです。

先ほどの投資の目的もそうですが、恐らく増えた資産をどういう風に使いたいかがあったはずなんです。あるいはどういう風に使いたいからこれくらい増えないといけないという話だったはずなんです。

もちろん、一気に天文学的な資産規模になったら嬉しいのは確かだし、お金はあればあるほど嬉しいのも確かです。ただ、大なり小なり、使うことに人は幸せを感じているもので、もっと言えば使ってどのようなことをしたいか、できているかなんですよね。

ちょっとずつでも利益を受け取って、例えば毎年自分にご褒美を買ってあげるということが投資で上手く行っているという実感に繋がり、続けていけるというのであればそれもまたご自身に合った資産運用の方法、とは言えるのかもしれませんね。

まとめ

スポーツや勉強もそうだったかもしれませんが、資産運用を続ける上で、モチベーションを維持するためにできることは何かを知っておくことは大切です。できれば楽をして、無意識にやっているくらいの方が続きやすいのかもしれません。まだ始めたばかりだという人は、続けられたかどうか、是非時間が経って振り返ってみてください。

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