調べればたくさんの情報が手に入る時代に、ファイナンシャルアドバイザーがなぜ必要とされているのか、このことが腑に落ちてから前に進んだ方が良いでしょう。とても意味のある問いかけですから。
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必要か必要でないか
出鼻を挫くようで申し訳ないですが、ファイナンシャルアドバイザーが“必”要かと言われると、そうではありません。人間に呼吸が必要なのとは事情が違います。
いなくても何とかなると言えばそうでしょう。結局は自分自身のお金周りのことですから、時間と努力を注ぎ込みさえすれば良い面はあります。あるいは不得意なことを諦める、というのも少なからずの人が選びます。
しかしながら、独力では、自分自身が目指す金銭的ゴールから遠ざかっていることすらありますし、良い投資先を見極めることだけが、ファイナンシャルアドバイザーの仕事ではありません。価値があるところに費用が発生しているわけですから、知っておいて損はないでしょう。
投資における4つの価値
資産配分
一つの価値は、適切なアセットアロケーション(資産配分)にあります。
年齢やライフステージによってはよりリスクを取らなければならないかもしれませんし、逆にリスクを落とさなければいけない局面に差し掛かるかもしれません。適切な量のリスクを取ること、これができる人は多くありません。アドバイザーとより深く話をすることで、単にいくつかの質問に答えるのとは違ったポートフォリオに辿り着くことに気付かされることでしょう。
費用管理
次の価値は、費用管理です。
投資からリターンを得る過程でも様々な費用がかかります。決して勉強のための書籍代だけではありません。目に見える費用もあれば、埋め込まれた費用もあり、カラクリを知らなければ右往左往するだけで資産が目減りしていきます。常に目を光らせるアドバイザーがいることで結果的に投資パフォーマンスの底上げには繋がることが知られています。
メンテナンス
3つ目はメンテナンスです。
投資ポートフォリオを四六時中見張っているのは簡単なことではありません。価値が増減するのを目にしても、それがなぜそうなっているのかまではいきつきません。気づいた頃には適切な資産配分から外れていることもあるでしょう。また、投資資金もいつかは消費に向かいますから、そのときに向けて税効率の良い方法を模索することも肝心です。
コーチング
最後は、コーチングです。
これが最も力量を問われるところで、そして人間のファイナンシャルアドバイザーが求められる箇所でもあります。個人投資家もまた人間である限り、感情が存在します。スポーツにおいては、パフォーマンスを良くするための感情のマネジメントがあるかもしれませんが、投資においては、感情そのものがパフォーマンスに反映されるものではありません。(例えば、機嫌が良くても株価は上がらない、という意味です。)
なのに感情が揺さぶりをかけることによって誤った意思決定がなされていることの方が多く、結果としてパフォーマンスが悪くなるのです。そして、これにより払っている代償には人は目を向けたがりません。
アドバイザーの価値の誤解
自分でもできることは自分でやって、自分ではできないことをアドバイザーにやって欲しい、と思っている人はいます。これは確かにアドバイザーを雇うのに自分を納得させやすいとは思います。
もちろん専門分野というのはあります。自分が知らないこと、たくさん知っているかもしれません。
ただ、実際はこの「自分でできる」の部分が本当に”できている”のか、ということと、本当に自分で“やりたい”のか、ということも考えねばなりません。そこが揺らぐようでは、役割分担にすらならないわけで、土台をもっと固めてあげる必要が出てきます。
アドバイザーに言われてやったことが、果たしてアドバイザーがいなくてもやったことなのか、人生は後戻りできない以上、自分自身が目指すゴールに近づいたかどうかだと思います。
二人三脚で歩むからこそ、しっかりと話をし、確かな歩を進めていくことに重きを置いてみてはいかがでしょうか。