新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)は香港で最大の不動産開発会社の一つ。クオック家の家族経営で、後継者問題を乗り越えつつ、香港経済を支える。
目次
サマリ
新鴻基地産発展(サンフンカイ・プロパティーズ)は、1963年創業のSun Hun Kai Enterprises Co., Ltd.に端を発し、現在の会社は1972年に設立された。香港で最大の不動産開発会社の一つであり、中国本土でも不動産事業を営む。香港株式市場に上場したのは1972年。なお、金融投資持株会社である、新鴻基有限公司(サンフンカイ、86:HK)とは資本関係にない。
商業施設で有名なのはICCとIFCであり、ICC(International Commerce Centre)は2011年に西九龍でオープンし、100階にあるSky100 Hong Kong Observation Deckと、その上に入るリッツ・カールトン・ホテルが代表的である。IFC(International Finance Centre)はコンソーシアムによって、2006年に中環で完成し、フォーシーズンズ・ホテルが入っている。
不動産以外の事業への投資としては、通信のSmarTone、ITのsunevision、インフラではWilson Group LimitedやThe Route 3 (CPS) Company Limited、Airport Freight Forwarding Centre Company Limited、Hong Kong Business Aviation Centre Limited、River Trade Terminal Company Limited、YATA Limitedがある。
香港でのバス等のオペレーターである、The Kowloon Motor Bus Compnay (1933) Limited(KMB)やLong Wing Bus Company Limited(LWB)の持株会社である、Transport International Holdings Limited(TIH)も傘下にある。
特徴
筆頭株主:Kwok Family Trust 約58%
同銘柄は引き続き、創業者一族であるKwok Familyにより保有されている。
配当利回り:3−5%程度
外部格付け:S&P A+ / ムーディーズ A1 / フィッチ A(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 16 SHK PPT
最近のトピック
2012年、サンフンカイ・プロパティーズを率いる資産家兄弟(トーマス・クオックとレイモンド・クオック)の両共同会長が賄賂防止条例違反の疑いで逮捕(その後釈放)されている。会長職は2011年に母親から引き継いだものだが、長男のウォルター・クオック氏は2008年の内紛で会長職を解かれているなど、家族経営会社としては後継者問題に悩まされた。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。