友邦保険控股(AIAグループ)は香港を本拠とする、生命保険と金融サービス会社。時価総額でも世界最大級の保険会社はアジアの成長を取り込む。

サマリ

友邦保険控股(AIAグループ)は香港を本拠とする、生命保険及び金融サービス会社。現在は、中国本土、タイ、シンガポールなどのアジア、そしてオセアニアでサービスを展開する。当初は1919年に上海で設立されたものの、その後は撤退して1945年にはニューヨークへ本社を移転。その後、アメリカン・インターナショナル・グループ(AIG)のアジア部門となったが、2008年の金融危機で、米国政府がAIGを救済したときに経営分離したもの。2010年には香港証券取引所に上場を果たし、2011年にハンセン指数入り。

その後もAIGはAIAの株式を保有していたが、2012年には全ての株式を売却し、AIGの再建はここで一区切りを迎えた。なお、AIAの上場からの成功の礎を築いたのはCEOのマーク・タッカー氏であり、2017年にはHSBCホールディングスにその手腕を買われ、ダグラス・フリント会長の後任として迎え入れられた。

タイに進出したのは1938年で当時はタイ最初の生命保険会社として営業を開始し、今でも国内マーケットシェア約5割を誇る最大の保険会社である。

時価総額ベースで世界最大級の保険会社であり、ハンセン指数においてもウェイトの高い3社(テンセント、HSBC、AIA)のうちの1社である。

アジアにおける保険商品需要の力強い伸びを取り込むことが期待できる。

特徴

筆頭株主:Capital Reserch & Management 約4.5%

AIGが手放して以来、大口の株主はインサイダーを含めて存在せず、非常にバランスのとれた株主構成をしている。

配当利回り:1 – 2%程度

外部格付け:S&P AA- / ムーディーズ Aa2 / フィッチ AA(2021年11月時点)

株価推移

TradingView提供チャート 1299 AIA

最近のトピック

中国本土においては2020年1月1日から外資出資規制(上限51%)が撤廃されたことにより、2020年6月には100%外資として生命保険業免許を取得し、中国本土で初の外資系独資の生命保険会社を設立した。

また、中国は香港・マカオとの高利回りの「理財商品」の相互取引が可能になる仕組みを試行しており、「理財通」と呼ばれる同プログラムを通じて、AIAグループの事業が拡大することも期待されている。

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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。

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