マカオを代表するカジノ企業である金沙中国 (サンズ・チャイナ)。シェルドン・アデルソン亡き後の運営やゲーミング・コンセッションの行方に注目。
目次
サマリ
金沙中国 (サンズ・チャイナ)はマカオを本拠地とする米系のゲーミング企業で、親会社がラスベガス・サンズである。マカオにてカジノやホテル、リゾートを運営している。2009年12月に香港株式市場に上場し、2012年6月4日にハンセン指数の構成銘柄となった。
ラスベガス・サンズのCEOであったシェルドン・アデルソンが主導し、ザ・サンズ・マカオは2004年に開業し、外資参入がマカオで解禁された後、最初のラスベガススタイルのカジノとなった。マカオでは、子会社のVenetian Macau Limitedを通じて、ゲーミング・コンセッション(営業権)を取得している。
有名なのは、ザ・ベネチアン・マカオ、ザ・パリジャン・マカオ、サンズコタイセントラルなどであるが、サンズコタイセントラルは2021年2月にザ・ロンドナー・マカオに改装され、ロンドンにちなんだ体験型アトラクションなどがオープンした。
マカオ以外にも、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズも運営しているが、2021年3月、親会社のラスベガス・サンズがラスベガス事業からの撤退を発表し、今後はマカオやシンガポールを中心とするアジア事業に力を入れることとしている。
特徴
筆頭株主:ラスベガス・サンズ 約70%
同銘柄は引き続き、親会社であるラスベガス・サンズが筆頭株主であるが、今後持分比率を高める可能性がある。
配当利回り:5 %程度
外部格付け:フィッチ BBB- / Moody’s Baa2(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 1928 SANDS CHINA LTD
最近のトピック
マカオでは、6社(中国系3社、米国系3社)がゲーミング・コンセッション(営業権)を所有しており、その期限は2022年6月26日となっている。その前にマカオ政府は再入札を実施する方針としている。現行の法律では、マカオ行政長官の権限に基づき、ゲーミング・コンセッションの最大5年間の延長が可能となっているが、延長というオプションは取らず、再入札(新規)に向かうことが想定されており、今後の行方に注目が集まる。
また、2021年1月に「カジノ王」と呼ばれたラスベガス・サンズCEOのシェルドン・アデルソン氏が死去したこともあり、より多くの株式が広く中国関係者の手に渡る可能性も指摘されている。
2021年10月、中国政府が主導となってマカオのライセンスの再入札、ゲーミング法改正を目指すことが発表され、マカオのカジノ業界に対して投資家からは懸念が示されている。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。