中電控股(CLP・ホールディングス)は香港人口の約8割をカバーする最大手電力会社。アジアやオーストラリアでも発電事業を行い、近年は再生可能エネルギーにも取り組む。
目次
サマリ
中電控股(CLP・ホールディングス)は1901年に設立されたChina Light & Power Syndicateを端緒とする、香港での垂直統合型の大手電力会社である。香港の九龍と新界地区では唯一の電力会社となっており、香港全体でも人口の約80%をカバーするとされる。香港外では、中国大陸、オーストラリア、インド、東南アジア、台湾で発電資産を保有している。1998年に香港証券取引所に上場し、2010年よりハンセン指数の構成銘柄入り。
主な電力源は石炭(49%)や天然ガス(23%)であるが、近年は再生エネルギー(14%)の割合増加も目指している。発電にあたって、Castle Peak Power Station, Black Point Power Station, Penny’s Bay Power Stationを運営している他、Guangdong Daya Bay Nuclear Power Stationからも電力を輸入している。
中国本土への進出は1979年で外部の独立電力事業者としては最大。インドへの進出は2002年であり、2018年にはCDPQを戦略的株主に迎え、低炭素投資機会を探っている。台湾への進出は1990年代であり、Ho-Ping Power Stationなどへの投資を通じて、太陽光発電プロジェクトなどを進めている。オーストラリアでは2011年にEnergyAustraliaを買収して完全子会社とし、石炭や天然ガスだけでなく、風力や太陽光などでの自家発電を行っている。
サステナブル目標として、脱炭素化、デジタル化、労働力転換などを進めており、独自のサステナビリティガバナンス政策を組み込み、アジア太平洋地域で同分野をリードする存在となることを目指している。
特徴
筆頭株主:Kadoorie Family 約35%
同社の筆頭株主は創業者一族であるKadoorie Familyであり、その他は機関投資家や個人投資家に分散されて保有されている。
配当利回り:4%程度
外部格付け:S&P A / ムーディーズ A2 / フィッチ A(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 2 CLP HOLDINGS
最近のトピック
CLPは大湾区において低炭素技術とプロジェクトへの投資を容易にするため、広東省所有のChina Southern Power Gridが2020年11月に設定したCSG Energy Innovation Equity Investment Fundへの出資を行った。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。