中国を代表するスポーツウェアメーカー、安踏体育用品 (アンタ・スポーツ)。内需の拡大を背景に国内ブランドとして世界ランキングに食い込む。
目次
サマリ
安踏体育用品 (アンタ・スポーツ)は1994年に設立された、中国を代表するスポーツウェアメーカーである。本社は福建省晋江市にあり、2001年に初めて北京で専門販売店を出店、その後本格的に全国展開を行った。ANTAブランドはもともと1991年に誕生し、2007年に香港証券取引所への上場を果たした。
2009年にイタリアの「FILA(フィラ)」の中国事業を買収して大きく成長した。「ANTA」「ANTA KIDS」「NBA」、日本の高級スキーウェアブランド「デサント」、韓国の大手アウトドアウェアブランド「KOLON SPORT」、香港の高級子供服ブランド「Kingkow」等のブランドポートフォリオも有する。
世界のスポーツ用品企業の売上ランキングでも、ナイキ、アディダス、プーマに次ぎ、第4位争いに食い込む企業となっている。
中国のスポーツ用品市場は、2008年の北京オリンピックをきっかけに急速に拡大したとされる。中国でのスポーツアパレルブランドといえば、李寧(リーニン)とANTAの2つが目立ち、国産ブランドとして世界と戦っている。
2016年にデサントがアンタ及び伊藤忠商事が合弁会社を設立し、中国内でのデサントブランドでの拡販に乗り出した。
2019年にはテニスの「ウィルソン」、ウィンタースポーツの「アトミック」や「サロモン」のブランドを抱える、フィンランドのアメアスポーツを、テンセント等とのコンソーシアム(共同事業体)を通じて買収した。
特徴
筆頭株主:Anta International Group Holdings 約50.8%
筆頭株主はアンタグループの持株会社であるBVI法人であり、現経営陣がボードメンバーを務める。
配当利回り:0%
外部格付け:なし (2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 2020 ANTA SPORTS
最近のトピック
新型コロナウィルスによる影響で店舗閉鎖が相次いだが、中国国内の活動再開に伴い、2020年第3四半期にはe-コマースを中心に売上が回復し、香港市場における株価も高値を記録した。社長及び副社長を務める、Ding ShizhongとDing Shijiaの兄弟は有数のビリオネアとして名を連ねる。
2020年12月7日、スワイヤー・パシフィックに代わり、ハンセン指数の構成銘柄に採用された3つの銘柄(Meituan, Budweiser, Anta Sports)のうちの一つ。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。