2024年は業務の幅の拡大を見据えた年になりました。日本で正月を過ごし、香港に戻るとまもなく旧正月。少し遅くなりましたが、このあたりで2024年の振り返りをしておきたいと思います。
目次
課題の移ろい
2024年、香港ではなかなか回復しない景気に悩まされた企業が多かったようです。幸い、株式を扱う証券会社等を除き、金融業は良好な業績となり、一時期シンガポール等へ流れた人材も徐々に戻ってきている、という話も聞かれました。
業界の先行きを表すレポートはたくさんありますが、昨今の一時的なイメージに反して、香港の国際金融センターとしての位置付けは5-10年では案外明るいものが多いのも事実です。それは中国景気の減速のなかでも、香港に溢れ出てくる富の大きさ、厚みが消えてなくなることは想定されていないからでもあります。アジアが成長する限りにおいて(他の都市も成長するが)香港も伸びていくことがメインストーリーです。
一方で、少し前に比べると日本の投資環境のことをよく聞くようになったのも事実ではあり、不動産にしても株式にしても、旅行以外のことを知って考え始めている人がいるのも確かでしょう。少し前までは、日系企業は労働環境的にはNOなので日本では働きたくないと言っていた香港人でしたが、別の形での働き方を探して日本へ前向きに移住を決める例も見るようになりました。
ヒトとしてのお付き合いの側面
私の仕事は、仕事である以上、一人ひとりのクライアントさんのご要望にお応えすることに他なりませんが、クライアントになっていただく上であえて私から要望することがあるとすれば、中長期で付き合っていけそうかどうかをご判断いただきたい、ということかな、と思います。
ご自身のこれまでを振り返って、細くても太くてもいいのですが、長く付き合いのある人ってどんな人かを考えてみて欲しいんです。お金持ちのボンボンだと思ったからずっと付き合いが長い?そんなことはないはずです。結婚して子供がたくさんいるから親しくしている?そんなことはないはずです。
もちろん基準や距離感は人それぞれだと思いますが、例えば自分から話しかけたくない人だったり、話しかけられて緊張したりストレスを感じたりする人だったりはしませんよね。
人生という時間の一部をお互いに割くわけですから、より良い方向に向かえるよう、ヒトとしてのお付き合いの部分でしっくりきて違いを感じてもらえることは大切なのではないかと思います。お金周りのことは誰にでも話しているわけではないでしょうから、少なくとも私からは厳しいことを言わねばならないな、という瞬間もやはりあります。
新しい情報のインプット
このブログもそうですが、形は問わずアウトプットをし続けることは重要です。なぜならアウトプットをしなければ誰かに伝わることもないからです。伝わらなければ、良いも悪いもありません。それにアウトプットをし続けると自然と情報が集まってくる面はあります。これは学生の頃に学んだ経験則でもあります。
一方で、新しい情報のインプットをしなければ、同じように価値がある情報も、陳腐化していくわけです。不思議ですよね。
2024年はファイナンシャルプランニングの一分野でもある、不動産の知識強化を図りました。投資としての不動産なのか、住まいとしての不動産なのか、いずれにしても不動産と無縁で生きている人はいません。支出項目としても多い方でしょう。それなのに、不動産を改善することが大事だと知って行動している人は少数だと思います。変えづらいものだ、と思っているからなのでしょう。
投資分野としても、昔からあり、そして時代が移り変わっても存在するであろうとされるのが不動産です。日本だけでなく、海外においても確かな地位が築かれており、同時に国毎の違いがたくさんあります。
不動産も金融と同じで、分野を掘り下げていけばいくらでも専門的だし複雑ではありながら、自分の人生に引き付けて必要な情報を必要なだけインプットすれば必ず役に立つし、隣の人と明確に差がつくものです。また自分の中で消化して皆さんにアウトプットしていけたらと思っています。
2025年へ繋がる課題
アドバイザーという仕事をして早5年ですが、すぐにどうにもならない課題というのは案外あるものだな、と実感しています。課題を抱えていらっしゃる顧客は、プロに相談すれば何とかなるという期待感でやってこられます。私も何でも解決してあげたいです。でも魔法使いでもなければ預言者でもないので、必ず叶えてあげられるという性質のものではないのです。顧客が現実と向き合い、より良い方向に向かうこと、あるいは悪い方向に進むのを避けること、それによって時間をかけ、最終的に課題を解決する、そんなものなのかもしれません。
とはいえ、先ほどのインプットと重なりますが、やはり革新的なことを考えている企業、少し違った切り口からのサービスは出てくるものです。自分が常に最先端だ、と思うことなく、しっかりとコラボして変化を受け入れられるようでありたいと感じます。
投資環境について悩ましいのは、水面下で聞かれる悪い話があったとして、それをどの程度会話に反映させるか、ですね。危機感を煽る営業も、楽観的すぎる営業も、世の中には当たり前に存在します。聞きたくない話、聞かなくてもいい話も実際あるでしょうが、可能なかぎり物事の両面をおさえること、不安にならない程度には事実も伝えること、を引き続き大事にしておこうと思います。
さて、2025年は巳年🐍ですから、私は年男です。さらなる進化を遂げられるよう、頑張ります。
皆様も良い一年を過ごされますようお祈り申し上げます。