中国聯通 (チャイナ・ユニコム)は中国国有通信3社のうちの一つであり、5G、IoT、ビッグデータ等の分野で様々な企業と協業を展開する。
目次
サマリ
中国聯通 (チャイナ・ユニコム)は1994年に中国政府によって設立された会社である。2008年の業界再編以降、通信事業会社としては、中国移動、ボーダフォンなどとともに5本の指に入る規模であり、中国国内での企業向け固定通信サービスではシェアの4割を占めており、クラウド・コンピューティングやIDC(インターネット・データセンター)に強みがある。
チャイナ・ユニコムは国有通信3社(中国移動、中国聯合通信、中国電信)の一つであるが、実質的には中国移動(チャイナ・モバイル)が独走している。
チャイナ・ユニコムの資本関係は複雑で、中国聯合網絡通信有限公司(聯通集団)が直接及び、中国聯合通信有限公司(中国聯通)を経由して全額出資する中国聯通(BVI)有限公司が存在し、その傘下の中国聯通股份有限公司(本社:香港)が香港に上場し、取引されていることになっている。これは持株会社であり、事業はその完全子会社に中国聯通有限公司等が行う。
ニューヨーク証券取引所にも上場してきたが、2020年12月の米大統領令を受け、2021年1月には取引停止、上場廃止が決まった。
なお、2019年6月6日に中国工業情報化部は中国電信(チャイナテレコム)、中国移動(チャイナモバイル)、中国聯通(チャイナ・ユニコム)、中国広電(チャイナブロードキャストネットワーク)の4社に対して5Gの営業許可証を発行している。5Gネットワークの共同構築に関しては、チャイナ・ユニコムはチャイナ・テレコムとともに推進するといった例もあり、5Gの急速な普及が見込まれている。
特徴
筆頭株主:中国聯通(BVI)有限公司 約80%
子会社が香港上場を果たしているものの、中核の持株会社は国有企業であるのが特徴。
配当利回り:1 – 3%程度
外部格付け:なし(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 762 CHINA UNICOM
最近のトピック
2018年に中国聯通(チャイナ・ユニコム)と阿里雲(アリババクラウド)の共同出資により、雲粒智慧(yunlizhihui)という、政府、大手企業向けのデジタル・トランスフォーメーション(DX)サービスを専門とする企業を立ち上げた。持株比率はチャイナ・ユニコムが51%、アリババクラウドが34%、従業員持株が15%である。全国の政府機関や大手企業にスマートシティ、環境保護、緊急事態対処、警察など、多岐にわたるソリューションを提供している。
2020年12月、中国聯通(チャイナ・ユニコム)はフードデリバリーでも有名な生活関連サービス大手の美団(メイチュアン)と戦略的提携を締結したことを発表。5G、IoT、ビッグデータなどの分野での綿密な協業が期待される。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。