中国石油天然気 (ペトロチャイナ)は中国三大国有石油会社の一つで、最大規模。クリーンエネルギー分野への投資拡大により、温室効果ガス排出ゼロを目指す。
目次
サマリ
中国石油天然気 (ペトロチャイナ)は1988年に設立された中華人民共和国の国有石油会社であり、原油・天然ガスの生産と供給、石油化学製品の製造・販売において中国最大の規模を誇る。略称はCNPCであるが、中国国内の石油事業の再編を1998年に行った際、中国石油天然気集団公司 (CNPC)と中国石油化工集団公司(シノペック)へと生まれ変わったものである。
中国では「三桶油」と呼ばれる、CNPC、シノペック、CNOOCの三大国有石油会社が今も圧倒的な地位を占めている。3社の上場や民営化にあたっては中国政府の強力な支持・支援があったとされ、中国国有企業改革のパイロットケースと位置付けられていた。
ペトロチャイナは2000年に香港証券取引所、ニューヨーク証券取引所に上場、2007年には上海証券取引所に上場している。
中国国内のエネルギー政策は政府の方針が大きく影響し、石炭から天然ガスへの燃料転換が行われてきたが、シェールガス生産ではアメリカに遠く及ばない。新型コロナウィルスにより、原油価格が大幅に下落、エネルギー需要も落ち込んだことから、2020年、ペトロチャイナは大幅な赤字を記録した。一方で、2021年に関してはマクロ経済の回復による石油・天然ガス需要の回復、原油価格の上昇などを背景に、収益は大幅に拡大している。
特徴
筆頭株主:中国石油天然気集団 約88%
同銘柄は引き続き、中国石油天然気集団が筆頭株主であるが、子会社としての活動においては独立取締役を海外から入れるなど、規律あるコーポレートガバナンスを目指している企業でもある。
配当利回り:2−6%程度
外部格付け: フィッチ A+(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 857 PETROCHINA
最近のトピック
ペトロチャイナは2020年からの5年間でクリーンエネルギー分野への投資を拡大し、温暖化対策、地熱や風力、太陽光などの利用を通じて、2050年までには温室効果ガスの排出をゼロにする方針を発表している。
米国大統領令により、中国の通信大手3社が上場廃止となるなか、エネルギー部門である、中国の石油大手3社が同じような処遇となることを予想する声は多い。実際、CNOOCは2021年2月に上場廃止手続きを開始した。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。