中国建設銀行(CCB)は中国国有四大銀行の一つで、国家の建設資金管理、社会インフラに対する融資を軸としてきた。現在は海外にも進出する総合金融機関。

サマリ

中国建設銀行(CCB, China Construction Bank)は1954年に設立され、現在も中国国有四大銀行の一つである。香港でも金融最大手のいわゆる“八行五保”の一行を担う。

もともとは国家の建設資金管理、そして社会インフラに対する融資を行ってきたが、1980年代に改革開放の流れの中で商業銀行としての性格を強め、個人銀行事業、国際金融事業などへ展開し、現在では総合金融機関となっている。1996年にはPeople’s Construction Bank of ChinaからChina Construction Bankへと名称変更された。

2005年には香港証券取引所に、2007年には上海証券取引所に上場。海外にも複数の支店を持っており、中国外でのプレゼンス拡大にも取り組む。

長江デルタ地域、珠江デルタ地域、環渤海地域など、地理的に発展した市場の主要都市を優先的に開拓していく戦略をとる。また、中国内陸の省都での展開も加速させている。

S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスが毎年発表する、総資産額をもとにした世界の銀行ランキングでは、中国建設銀行は他の国有大手銀行同様、トップ5入りをしている。

特徴

筆頭株主:中央匯金投資(Central Huijin Investment) 約57%

同銘柄は中国国務院の配下にある、中央匯金投資有限責任公司が筆頭株主を務める。

配当利回り:約4 – 6%

外部格付け: S&P  A / Moody’s  A1  / Fitch  A(2021年5月時点)

株価推移

TradingView提供チャート 939 CCB

最近のトピック

中国は現在、デジタル人民元の試験運用を開始しており、人民銀行が銀行にデジタル人民元を発行し、銀行が個人と企業との間で流通させる二段階方式をとるため、国有銀行は先立って試験に参加している。アリペイやウィーチャットペイといった既存の決済チャネルとは競合しないとはされながらも、このデジタルウォレットの試験運用には参加できず、将来的には電子決済のシェアを奪い合う構図になることも想定される。

また、中国国有銀行では、新型コロナ流行を通じて不良債権の増加が課題として燻っており、経済回復の鈍いなかで、当面の間利益への圧迫が続くことは想定される。

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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。

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