資産運用、その中でも資産形成をする上で、複利効果の重要性について説く人がいますが、その代表的な引用はこうです。

アインシュタイン博士曰く、「複利効果は人類最大の発明だ」

かの有名な相対性理論の博士がこういうのだから間違いないのではないでしょうか、という話です。果たしてそれは嘘か本当か。

複利効果のホント 塵ほどの違いが後々大きくなる

ここでは複利効果について細かな解説はしませんが、複利効果において主張したいことは

  • ①時間をかけることの意味
  • ②小さな違いが将来は大きな違いに繋がること

のように私は思います。

もちろんどちらも大切なことです。ただ、目の前の一瞬一瞬をひたすら生きる私たちにとって、時間をかけろ、というのは非常に酷な指令のようにも思えます。何十年も先のことは時折気になるにせよ、しかしながら実感を伴うことはあまり多くはありません。①を意識して動くことは理想ではありますが、現実には難しい気もします。

②はどうでしょう。一見、「ケチくさい」と思えることかもしれませんが、それほど難しくなく、そしてすぐにでもできることではないでしょうか。具体的には運用にかかっているコストや税金を1円でも少なくすることです。もちろん、必要な経費は払うべきですが、無駄だと思うものがあれば、より良い方法を見つける努力をしましょう。鬼ほどに違いが出ることは誰にでも分かります。

複利効果のウソ 積立をすることは複利効果とはあまり関係がない

やってみてはじめて分かることかもしれませんが、資産運用において積立方式を選ぶ人のリターンは往々にして大きくありません。もちろんしっかりと資産を伸ばす人も中にはいますが、それは多数派ではないでしょう。なぜなら、長期で積立をする中で、安くなっても買う、高くなっても買うを続けているからです。その結果生まれるのは、平均的な価格での買いであり、したがって、最後に価格が上がっていなければ結局は利益は生まれないのです。

積立の効用は複利効果ではなく、失敗する確率を減らすことにあるといってもいいでしょう。資産形成において失敗しないことはとても大事です。しかしながら、失敗しないからといって成功しているわけでもありません。結果として資産が増えなかったのなら、わざわざ高い費用を払って積立をする意味はどこにあったのでしょう、となります。

複利効果を活かすために必要なのは、投資を続けることですが、その意味するところは継続して新規の買い入れをすることではなく、運用利益を引き出さず、その次の運用に回すことなのです。つまり、ガチホであり再投資なわけです。したがって、投資をしてからの期間が長ければ長いほどよく、最初の方の積立には複利効果が働いたとしても、最後の方の積立はその期間が短いので必然的にリターンが少ないのです。結果として、積立をしてしまうと、果たして複利効果はどこへ行ったのやら、という感想を持つ人は多いように見受けられます。

複利効果のホント 複利の概念を理解することは極めて重要な金融リテラシーであるのは間違いない

先に述べたように、複利効果には重要な示唆があります。これ自体は正しいですし、それゆえに理解をしておくことは重要です。「どうせ大したことはない」とタカを括らず、複利の概念を知っておくことが基本動作です。資産運用をする上で、あるいは借入を起こす上でとてもとても重要なことなのです。それだけでお金に関する悩みからもいくつか解放されることでしょう。

複利効果のウソ 現実に複利効果が期待できる資産運用はあまりない

リアリティとして複利効果が期待できる資産運用というのはあるものなのでしょうか。資産運用に携わる一人として、これこそが複利効果を顕現する商品だ!と自信を持って言えるものに私は出会ったことがありません。これは本当の話。

多分理想的には、金利が年率5%くらい付く定期預金があればそうなのでしょう。100万円預けて1年後には105万円、次の年は105万円を預けてその1年後には・・・極めて分かりやすいです。ただ、私のこれまで生きてきた30年間にはそれがありませんでした。ゼロ金利時代だったからです。つまり、複利効果で“雪だるま方式”を実感するにも雪が積もっていなければ実感しづらい、ということです。

積立、株式、ロボアドバイザー、保険、・・・

それっぽくても複利効果とはどこか違っている気がします。

複利効果の実践をする方法

では、資産運用を通じて複利効果を実践するにはどうしたらいいのでしょう。残念ながら、投資信託やETFにも毎年決まったリターンを稼ぐものはありません。社債などに投資をしても上手く再投資をしきれるわけでもありません。したがって、リターンがブレブレになる以上、複利効果を追求すること自体がナンセンスにも思えてきます。

ただ、もしできることがあるとすれば、

  • ① 一貫したロジックのもとに資産運用を続けること(=継続)
  • ② 出た利益を受け取らないこと(=再投資)
  • ③ かかる費用を少しでも減らすこと(=コスト削減)

をしていれば、資産運用を通じてリスクをとることに対する見返りを合理的に期待することはできるでしょう。その先に、結果としての複利効果が待っていると考えられます。

① 継続 ② 再投資 ③ コスト削減

複利効果をこのように置き換えて、意識してやってみてはどうでしょうか。もしやり方がよく分からないという方がいれば気軽にお問い合わせください。