新型コロナの流行を受けて、思っていた生活を営むことができなくなった人も多いのではないかと思いますが、将来の不確実性にさらされたとき、あなたはどのように行動、意思決定したでしょうか。今回は私自身がお客様と行う、「もしこうなったら=What if」の将来に備えるためのファイナンシャルチェックリストの一部をお話してみたいと思います。

① 将来、長期療養や長期治療が必要になる状況になるとしたら

誰しも「自分は大丈夫だ、健康だ」と思っているものですが、統計上は、20歳以上であれば退職年齢までに何らかの重大疾病になる確率が4人に1人はいる計算になっています。スポーツ選手であれば、ケガをして選手生命を断たれることもあるかもしれません。

したがって、資産計画を立てる上では健康を前提にすることだけでなく不測の事態(といっても万が一ではない)が起こることを踏まえたコンティンジェンシーシナリオを持つことが合理的である、と言えるでしょう。長期療養や長期治療が必要になったとき、最善の方法を選択できる経済的余裕を持つことができているでしょうか。医療費は安くありませんから、経済的逼迫を理由に望んでいる治療を諦める人もいるのです。

② ある日突然、金融市場が乱高下するとしたら

資産運用を始めるとき、資産が上手く増えてくれることを期待するのは当然ですが、金融市場では時に荒波が発生します。投資に自信を強めるほど、資産の多くを注ぎ込みたくなるのも人間の心理です。そして信じる投資だからこそ、資産が減ったときには自分の選択の誤りのせいだと自分を責めてしまいます。

あなたの資産構成は価値の乱高下に耐えられる状態になっているでしょうか。あるいは一度価値が下がったとしても自信を持って持ち続けられるようなものになっているでしょうか。資産価格が乱高下しても、誤ったタイミングで資産を売却しなくて済むように、(リターンを諦め)一定程度の現金を持つことも正当化されるべきでしょう。

③ もし万が一、自分が死ぬようなことがあったら

「死んだときは死んだときだ」という言い方をする人もいますが、誰かと生活を共にしている、あるいは家族がいるのであれば、残された者にも影響が必ずあります。自分が生きていることで生み出している価値と、生きていたとしたらするであろうことを想像し、予め対処しておくことが望ましいでしょう。借金はどのようにして返済されるのか、子供の学資保険はどのように工面されるのか、収入が減ったとして配偶者はどう対処するのか、などです。

オーナー社長であるならば、自分が亡くなったときビジネスパートナーや家族にどのような影響があるでしょうか。突然会社を継ぐ、あるいは整理することになったとして彼らは彼らのやりたいことを続け、そして笑顔でいられるでしょうか。

最新の遺言や委任状を用意しているでしょうか。それは関わった国それぞれで準備しているでしょうか。住む場所が変わるとき、金銭面での守り、法制面での守りは甘くなりがちなのです。改めて自分と家族がどのように守られているかを確認しましょう。

まとめ

ファイナンシャルチェックにはストレステストを含みますが、何も、ネガティブなことばかり想定するわけではありません。それに、あらゆる可能性を考慮することは大変な労力であるからして、まずは大きな懸念から払拭していくことが望ましいでしょう。

結果として、あなたとそしてあなたの家族は“安心”を手に入れることで様々なことに前向きに取り組めるようになることが期待できます。とりわけ金銭面=ファイナンシャルな部分に関しては数字で確認することもでき、意思決定の大きな材料になることは間違いないでしょう。人間は感情的な生き物であり、感情を失うことは人生の楽しみを失うことでもあるかもしれません。「不安で何も手につかない」という瞬間を減らすだけでも生活の質(Quality of Life)は随分と改善するものです。