明けましておめでとうございます。2022年を迎えました。

日本と異なり香港には正月休みのようなものは目立ってありません。2021年、新型コロナウィルスの流行で海外との渡航は制限された状態のままでしたが、域内感染は非常に少なく比較的安心して過ごすことができているのは昨年とは異なるところ。

2021年の金融市場は2020年後半に引き続き、投資を淡々と継続した人が最も利益を重ねた、といってもいいのではないでしょうか。金融政策も財政政策も拡張傾向となり、世の中にはお金が溢れたと言えます。

もちろんいつまでもその状態にはいられないので、金融政策の出口戦略や増税策が合わせて出てくることにはなります。

あえて警鐘を鳴らすならば、投資には勝つときもあれば負けるときもある。一喜一憂しないことがまずは大事になってきます。

米、中、日それぞれの観点から2022年の先行きをざっと展望してみることにしましょう。

2022年のメインシナリオは?

2022年のメインシナリオは、経済正常化でしょう。

新型コロナウィルスへのワクチンや治療薬が広まりを見せるなかで、危機対応として実施された施策は引き上げねばなりません。

市場に行き渡るように供給された大量のマネーはいずれ回収されますし、補助金などで財政に負担をかけた部分は増税として跳ね返ってきます。

ただし、経済正常化が決して苦痛であるわけではなく、単純に景気が明るさを取り戻すことで実現されるものです。

残念ながらコロナ自体はすぐにいなくなるものではなさそうです。世界的な流行であるパンデミックから局地的な流行であるエンデミックに移行しつつも、2022年を通じて燻り続けることは想像に難くありません。

さて、経済正常化に伴って、金融市場にどのような変化が訪れるのでしょうか。

2021年は世界中から米国に向かって非常に多くの投資資金が流れました。もちろん、大型のテクノロジー企業を中心に業績が伴ったこともありますが、それ以上に米国が選好されやすかったというのはあるでしょう。

今後量的緩和の縮小や利上げが行われていくことが予想される中で、少なくとも一部の資金は株式市場から離れていくことにはなりそうです。特に投資のリターンを株式に求めるしかないといった『TINA(There Is No Alternative)』の状況は改善されると考えられます。

コロナで最もダメージを受けた業界や企業はまさに経済正常化によって売り上げと雇用が戻ってくることが期待されますから、セクター間での投資資金の動きもまた期待されるところです。

米国では巨大テック企業への規制強化の話はやや下火かもしれませんが、再びそのような議論が出てくる可能性も決して否めません。

一方、中国に関しては2021年で急速に規制強化を行ったというのが事実でしょうか。

テック企業への締め付けから始まり、『共同富裕』という標語も聞かれるなかで、幅広い業界へ規制が導入されました。もちろん行き過ぎた資本主義の面がなかったわけではないと思いますが、経済成長という観点からは一度手綱をしっかりと握り直すフェーズに突入したと言えます。

株式市場は非常に落ち込み、また不動産市場にも不安が燻る状況となっています。

北京オリンピックや習近平国家出席の第三期就任が控える2022年、明るい兆しが出てくるのかどうか、注目が集まりそうです。香港は中国本土との連携を強め、大湾区構想において、貿易と金融を支えることを改めて確認しています。

香港情勢が落ち着くなかで、次は台湾情勢が気にされていますが、東アジアでの米中あるいは英を含めた緊張の高まりは2022年を通じて続く可能性が高いでしょうか。

日本にとって香港あるいは中国は経済的な結びつきが強く、そして米国とも歴史的な繋がりがありますから、両者と上手く渡り合うことが今の時代の日本には求められているのでしょう。日本の資産(株式や不動産)は世界と比較すると割安、と受け止められることも増えているようですから、海外からの投資資金の流入は期待できるかもしれません。

2022年のブラックスワンは?

ブラックスワンとしては、米国の中間選挙、中国の内政不安定化、ウクライナ情勢悪化、など政治の話が引き続き多いかもしれませんが、それにもまして高まるのはサイバーリスクであると考えていいのではないかと思います。

世界がこれほどまでにIT化したのはここ数十年の話ですし、特に社会の変化はますます早まっています。合理的な選択のもと、テクノロジーへの依存も間違いなく進んでおり、代替できるものが用意されていないケースもあります。昔は停電が起きたらろうそくを灯せばよかったわけですが、今は生活も仕事もテクノロジーがインフラ化しています。

例えば、2021年はみずほ銀行のシステム障害が多く発生し、それゆえに影響を受けた人もいたことでしょう。もちろん他の銀行という代替ができれば影響は軽微で済んだかもしれません。

しかし、Googleといった巨大テクノロジー企業の提供するサービスが一気にダウンしたとしたら果たして生活を維持することができるのでしょうか。あるいはダウンするだけならまだしも悪影響を及ぼす方向に向かってしまったらどうでしょうか。

自然界でのコロナウィルスであれだけ国家間の言い合いが起こったのですから、仮にサイバーテロが起こり、デジタルの世界で国家戦争が起こるようなことがあれば、影響は計り知れませんね。

インフレは本当に収まるのか

ブラックスワンではありませんが、既に諸外国で起こっているインフレの問題ですね。いつかは落ち着くものと言いつつも、やはり影響がゼロではありません。じんわりと生活を蝕むことは家計にとっても企業にとっても負担になります。

景気の回復が見られれば良性なインフレとして賃金の上昇などを伴いますが、単純に原材料や燃料などの上昇のみにとどまるのであれば、経済成長の重しになることも想定されます。

現在のインフレはまさに一時的なインフレと、持続的なインフレが混ざり合った状態であるので、一時的なインフレが少し収まるなかで、持続的なインフレがどの程度見えてくるか、に金融政策などは従うことになるでしょう。

最後に

2022年はこれまで同様にはお金の供給の蛇口は開かないことが予想はされますが、依然として緩和的な金融環境であることには変わりがないでしょう。実体経済と金融市場の乖離がどのような形で収まるのか、あるいは乖離したままさらに次の年を迎えるのか、それは誰にも分かりません。

この数年の金融市場の動きは稀であるという前提のもと、ポジティブにもネガティブにもなり過ぎず、しっかりと分別のある投資家として、リスク管理をしっかり行い、確実に未来へ向かって歩みたいものです。

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