<サマリ>

新世界発展 (ニューワールド・デベロップメント)は1970年創業で、本社を香港におき、徐々に香港を代表する不動産コングロマリットとして大成した。1972年には香港株式市場に上場し、ハンセン指数の構成銘柄ともなっている。子会社を通じて不動産の開発・投資、建設請負、不動産管理、輸送サービスなどを行っている。そのほかにインフラや通信サービス、ホテル、百貨店、レストラン、メディア、テクノロジー事業なども手掛ける。

2002年にニューワールド・グループは組織改革を行い、ニューワールド・デベロップメント(17:HK)、ニューワールド・インフラストラクチャー(301:HK)、パシフィック・ポーツ(659:HK)に役割を分けた。うち、インフラ部門はパシフィック・ポーツが新創建(NWSホールディングス)と名称を改めて管轄し、ニューワールド・インフラストラクチャーよりも上位に置かれた。ニューワールドデベロップメントはニューワールド・インフラストラクチャーの54%、NWSホールディングスの52%の持ち分を持つ最大株主となっている。

2018年には、NWSホールディングスを通じて、北京のJDキャピタルからFTライフを買収し、傘下に収めており、当時買収額は香港保険業界で最大規模となった。保険会社の買収は不動産ビジネスからの多様化であると説明している。

九龍半島では、Victoria DocksideとKai Tak Sports Park、空港近くでは、SkycityのプロジェクトがAdrian Cheng(現CEO)の肝煎りで進んでいる。2018年に完成したK11 MUSEAはVictoria Docksideのプロジェクトの中でも注目を集め、建築はJames Corner (Field Operations)とForth Bagley(Kohn Pederson Fox)が舵を取った。James Cornerは香港での活動についてこのように述べている。

<特徴>

筆頭株主:Cheng Yu Tung Family 約44%

同銘柄は創業者一族が筆頭株主を務める。

配当利回り:4−6%程度

外部格付け:なし(2021年1月時点)

<株価推移>

TradingView提供チャート 17 NEW WORLD

<トピック>

2020年6月23日には、4株を1株に併合する、株式併合(Share Consolidation)を実施した。

2020年5月には、ハーバード大学卒、元ゴールドマンサックス出身の鄭志剛(エイドリアン・チェン)氏がCEOに就任し、鄭家の跡取りとして手腕を振るう。同じく香港不動産業界の代表格である李嘉誠氏が香港や中国本土への投資割合を減らしてきたのに対し、ニューワールド・デベロップメントは積極的な投資を継続してきた。中国政府が推し進める「粤港澳大湾区(グレーターベイエリア)」構想を通じて飛躍する、香港最大のデベロッパーとなることを目指している。

また、エイドリアン・チェン(Adrian Cheng)は2021年4月、不動産事業以外からの収入を3割に拡大できるよう、中国本土での健康や保険分野のビジネスに力をいれることを発表している。

<最近のニュース>

新世界CEO、SPACの米上場を申請

NNA ASIA

Hong Kong Property Giant to Boost Expansion in Health, Insurance

Bloomberg

香港に賭けた戦略、実を結ぶのか – 元ゴールドマンの新世界発展CEO

Bloomberg

新世界発展が「皇都戲院」に新しい息吹を約束 映画文化に根付いたランドマーク目指す

香港経済新聞

New World Development unit buys Hong Kong insurer FTLife in record US$2.74 billion deal

South China Morning Post

新世界、非中核資産を売却

NNA ASIA

新創建、環境関連2社の持ち分売却へ

NNA ASIA

*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。