創科実業(テクトロニック・インダストリーズ)は多くのブランド買収を経て、世界有数の電動工具製造会社となった。市場の拡大を背景に、成長を狙う。
目次
サマリ
創科実業(テクトロニック・インダストリーズ)は1985年に設立された、香港を本拠地とする電動工具会社。リョービ、ミルウォーキー・エレクトリック、ホームライトなどの可搬電動工具セグメントで有名な家庭用ブランド向けにOEM(相手先商標)で工具を製造。積極的なM&AによりOEMから自社ブランド生産へのシフトを強化。コードレス電動工具というニッチセグメントにおいて地位を確立している。
1999年にVAXブランドを買収、2001年にリョービからフランスとイギリスの販売子会社を買収し、欧州におけるリョービ・ブランドの使用権も獲得している。2002年にはホームライト・ブランドを買収、2005年にはミルウォーキー・ブランドを買収している。
売上高では2019年にはUS$70億、従業員数では30,000人超となり、同業界ではスタンレー・ブラック&デッカーやボッシュと競い合う。
1990年12月に香港証券取引所に上場し、2019年3月にハンセン指数の構成銘柄入りを果たした。
特徴
筆頭株主:Horst Pudwill 約18%
創業者であるHorst Pudwillが筆頭株主であり、現在も会長を務める。フォーブスの香港ランキングでは第12位(2021年)の富豪となった。
配当利回り:1%程度
外部格付け: なし(2021年11月時点)
株価推移
TradingView提供チャート 669 TECHTRONIC IND
最近のトピック
2020年の新型コロナウィルス流行は同社にとって、工場の営業停止などで大きな逆風となったが、長期的な成長へのコミットを固め、結果として失業者などが自宅の改修などに向かったため電動工具へのニーズは高まり、良好な業績を収めることができている。電動工具市場はさらなる拡大が見込まれ、その中で同社はコードレス電動工具というニッチだが革新的な分野を確立している。
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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。