オルタナティブ資産とは、上場株式や債券といったいわゆる伝統的資産以外のことを差し、これらとは異なるリスク/リターンのプロファイルを持つとされる。

具体的には、未上場株式/債券、ヘッジファンド、不動産、アートなどが挙げられる。最近だと暗号資産もここにカテゴリされるかもしれない。

いくつか挙げてみたが、そもそもお互いに共通点などあるのだろうか。実際には、オルタナティブ資産とは総称であって、その中にも全く異なるリスク/リターンのプロファイルのものが存在する。

投資対象としてオルタナティブ資産を考えるのであれば、“どのくらい”オルタナティブ資産に投資するのか、と同時に“どの”オルタナティブ資産に投資すべきかもまたよくよく考えなければならない。

オルタナティブ投資比率

既に触れたとおり、オルタナティブ資産にも色々あるため、実際に投資比率を決めることにどれだけ意味があるか、と思う人もいるかもしれない。

ただ、一般的にいって「オルタナティブ資産はリスクが高い」と思っていればハズレではないだろうから、必然的に投資比率は過半ではないし、恐らく20%近辺を一つの目安に設ければ、少なくとも安全運転をしているとは言えるだろう。

まずはトップダウンに配分を決めてしまうことが、結果的にブレーキが効く状態を維持できる。逆にこれくらいの割合で組み入れるべきオルタナティブ資産が見つからないのであれば、素直に別の方法で資産の成長を考えるべきである。

毎年のように安定したリターンをあげる巨大な投資家はオルタナティブ投資を行っている。だからといって、それを全く同じように個人の投資家で行うには限界がある、ことは知っておくべきである。

適切な投資機会に恵まれたならそのときに考える、というものでいいということだ。

過剰な投資には要注意

オルタナティブ投資に対する過剰な投資には気をつけたい。なぜなら、オルタナティブ投資の多くは、非流動性資産、つまり売却したくてもできないという要素が強いものが多いからである。

また、オルタナティブ投資のもたらす絶対リターンを肯定するがあまりに投資対象の分散効果を超えて投資がいきすぎてもポートフォリオのバランスが悪くなる。

過ぎたるは尚及ばざるが如し、である。

業者がオルタナティブ資産へ

かつては上場株式の取引でも十分な収益が金融業界全体でもあったが、今は世界中の誰でも株式が取引できるような時代であり、情報も瞬時に行き渡る。ファンドの運用においても競争が激しくなり、運用能力で勝負するようなものより、手数料が安いお手頃なものの方が好かれるようになってしまった。

そのため、金融業界の高級取りは既に別の戦場に移っており、それがオルタナティブ投資である。未上場のため情報が限られている、あるいは二つとない投資案件であるならばビジネスとしては収益を上げやすい。しかも、売却しづらいとなれば顧客が離れるリスクも少ない。

業者が過剰なオルタナティブ投資を薦める可能性はある。

伝統的資産への投資を大事にする

上場株式や債券といった伝統的資産は価格に透明性がある分、売買がしやすく、それゆえに価格の変動がよく見える。このような特徴を忌避してか、金融資産から離れ、不動産に傾倒したり、アートやワインなどに目を向ける人もいる。目に見える実物資産だというのは大きいかもしれない。好きなものを投資のアイデアに変えることもまた投資家としては楽しいのかもしれない。

一方で、資産の配分(アロケーション)という観点を身に付けられているかは再確認したい。

投資において大切なことは、「卵は一つのカゴに盛るな」である。同じ衝撃で全ての卵が割れてしまうことは避けるべきで、様々なリスクシナリオにおいても、資産が安定し、そして増えていくためには、アロケーションに気を配りたい。

特に伝統的資産は時価総額も大きく、あらゆる投資家が参加するため、市場が枯渇する、ということはあまり想定はされない。逆に、そのような事象は世界金融危機のような広範な経済ショックにおいて観測されるものであり、同時期におけるオルタナティブ資産への影響はさらに大きいとも考えられる。

また、伝統的資産は少額での投資も可能であり、投資のイロハを学ぶには都合がよい。もし仮に投資を始めたばかりかあるいは資産を形成するフェーズにあるのであれば、オルタナティブ投資に手を出すことは逆にリスクを高める行為であり、投資家としての寿命を縮める可能性すらあるというのは知っておいた方がよい。伝統的資産への投資から始め、資産の成長とともに、オルタナティブ資産の組み入れを検討し始める、というのがセオリーだ。

伝統的資産に対する投資分散効果としてオルタナティブ資産は極めて有効である。

このことは統計的にも有意であるとされるし、ポートフォリオを語る上において避けて通ることができない。伝統的資産にオルタナティブ資産を組み入れることで、ポートフォリオ全体のリスクが低減され、かつリターンが高く維持できることを意味しているからだ。

ただし、繰り返すが、それはオルタナティブ資産単独で見ているのではなく、伝統的資産とオルタナティブ資産の組み合わせによって始めて達成されている事象である。

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