皆さんにとって「投資」とはどのようなものでしょうか。この質問に対する回答は実は人によって違います。誰でも大切なお金を失いたくはないとは思いますが、そもそも投資への恐怖はどこから来ることは多いのでしょうか。

投資の恐怖を感じる理由

反面教師が身近にいるから

親が投資で失敗をしたことがある、あるいは親からは投資をしてはならないと教わっている、というケースは少なくありません。一方で、親が常に経済新聞を開いて見ている人で、投資によって稼いだ利益で大学まで行かせてもらった、という人だっています。

投資の学びは一番身近な人からやってくるもので、潜在意識の中にあることが良く作用することもありますし、バイアスをかけてしまっていることもあります。

投資事故を聞いたことがあるから

投資にはリスクがあります。認識していたリスクならともかく、知らなかった、騙された、想定以外のことが起こった、ことによって損失を被った人の話は尽きません。嫌な思い出は人間誰しも語らないので、それでも聞こえてくるということは氷山の一角なのだとも思えます。プロでも投資事故に遭うのだから、自分で投資判断などできるとは思えない、というのも一理ある話です。とはいえ、投資を頭ごなしに否定するのではなく、失敗談から学びを得ることは大切です。

普段からやっていないから

誰でも投資のリスクは感じますが、普段からやっている人とそうでない人とでは感覚が違ってくるようです。そういう人は今やっている投資のことを思い浮かべてみるといいかもしれません。

本当の本当に初めて投資をしてみます、という人以外は既に行なっている投資があります。始めるときはひょっとしたら一生懸命考えたかもしれませんが、いざ続けてみるとあまり中身について気にしなくなっていることもありますし、逆に日々気になりすぎて夜も眠れないということもあるかもしれません。

投資を「やっている」は決して毎日投資のことを考えなければならないわけでもないし、むしろそうでない状態の方が恐怖を感じることもないので理想的である、とも言えるかもしれません。

大きな金額が動くから

大きな買い物をするときほど慎重になる、という人は多いと思います。実際それは大切な意識でもあります。投資をするためのお金は日常生活で日々意思決定している規模よりも大きいでしょう。大きな金額が動くときは、取り返しがつくものなのか(=解約手数料が小さい)を知っておくことも重要ですし、誰かに予め相談してみるのも良いでしょう。

一人で決められないから

投資は自己責任、という言葉を理解しつつも、意思決定を自ら行っている人ばかりではありません。日常生活でも、分からないことは誰かに聞くことはあるし、苦手なことは誰かに任せることもあります。

こと専門知識の必要そうな投資に関しては、最終的には一人で決めるべきだと分かっていても、とにかく自分以外の誰かの意見を聞いておきたいという人だっています。自分で全て考えなければならない、ということがプレッシャーになり、恐怖へと置き換わっている可能性はあるでしょう。

投資には時間がかかるから

自分の人生の選択ですら数年先はよく分からないということを誰もが知っています。一方で投資は時間がかかるので、その間に世の中どんなことがあるかは分からないものです。

短期の取引を繰り返す人が一定数いるのは、短期的に大きなリターンを得たいというのもあるでしょうが、一方で例え期待リターンが大きくても時間をかけているのが嫌だという背景もあります。この場合は、投資の恐怖の原因が、そもそも投資に回してはいけないお金に手をつけているから、である可能性はあります。

恐怖を乗り越える必要はあるか

まず言えることは「怖い」という自分の気持ちを雑に扱わないことでしょう。自分にとって「怖くない」状態に持っていく方法について真剣に考えることが重要です。教科書的には、難しくない投資からスタートすることであったり、積立形式で始めることだったりします。

投資に過度な期待感を抱かないことも大切なことかもしれません。未来のことを誰も予言できないのと同じように、投資も思ったとおりにならないことがあります。分からないことがあるのは間違いなく恐怖です。だから投資だけに依存するのを避け、適度に働いたりあるいは趣味を持つことで投資との距離を保つことが結果的には恐怖を乗り越えることに繋がっているという人は多いのかもしれません。

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