2023年12月19日に香港政府より新たな投資移民スキーム(Capital Investment Entrant Scheme)の発表がありましたので概要をまとめてみます。
目次
ビザ申請のための適格要件
- 年齢:18歳以上
- 国籍:外国籍、他国に永住権を持つ中国籍、マカオ居住者、台湾籍
- 資産:申請前2年間にわたって3,000万香港ドル(約5億5,000万円)以上
投資資産構成
- 2,700万香港ドル以上の適格金融資産及び非居住用不動産(既存部分含む資産)
- 300万香港ドル以上の新CIES投資ポートフォリオへの投資(新規投資)
新CIESポートフォリオとは、Hong Kong Investment Corporation Limitedが組成するもので、香港と繋がりのある企業やプロジェクトに投資し、技術革新や香港経済の発展に資することを目的に運営される予定です。
適格資産の種類
- 株式(香港上場株式)
- 債券(香港政府または準政府機関の発行する債券)
- CD(満期12ヶ月以上の香港の銀行の発行する譲渡性預金)
- 劣後債(香港の銀行の発行する劣後債)
- 適格投資信託(OFC)
- リミテッドパートナーシップファンド(LPF)
- 非居住用不動産
申請時期
新しいスキームにおける申請受付開始は2024年半ばとなっている【2023.12.23現在の情報】ようです。
なお、CIES自体は2003年10月27日に初めて実施され、当時は650万香港ドル(不動産も含む)が資産要件であり、多数の申請がありました。その7年後には1,000万香港ドル(不動産除く)へ資産要件が厳格化される改定を経つつも、2015年1月15日からは受付停止となっていましたので、今後どの程度の期間継続されるのかは未定です。
申請書類
過去の申請書類等はこちらから確認できますが、新しいスキームにおける書類はアップデートされていません。
*その他、移民局の判断で必要な書類が追加される可能性あり。
審査通過後
審査を通過した申請者は、配偶者ないし18歳未満の子供を連れてくることが可能です。通常、当初のビザ付与期間は2年以内、その後3年以内のビザへの延長を繰り返すことが可能です。他のビザスキーム同様、7年を経過すれば同ビザ対象者は永久居民申請を行うことができます。ただし、CIESにおける資産要件を満たしつつも、香港居住要件を満たさない場合は、条件なし滞在のビザへ切り替え申請を行うことは可能であり、その後はいずれにしても資産要件は無くなります。
もともと他のビザスキームでも厳密に香港滞在日数を見られることは少なく、将来的に永久居民となることを意識しないのであれば、CIESについても多くの期間を香港に滞在せずに過ごす、という人は少なからずいそうです。
まとめ
長らく停止されていた投資移民ビザですので、域内への投資促進の意味も含め、歓迎する見方は多い一方で、かつてに比べると要件のハードルは高くなったとは言えます。
再開に関してアナウンスがあったのが2023年2月ですから、時間をかけて検討された様子が窺えます。今後申請数などを見ながら変更がなされる可能性は十分にありそうです。
適格投資ポートフォリオについては、香港内で認可を受けた金融業者において専用の口座開設を行う必要がありますので、ご要望ございましたら気軽にお問い合わせください。
さらなる詳細はアップデートして参りますが、本記事はあくまで情報共有目的であり、正確であることには努めていますが、実際の申請にあたっては移民局ホームページ等の一次ソースを参照し、必要に応じて専門家のアドバイスを受けるようにしてください。