今回は、より高度なウェルスマネジメントサービスとして必要になる「オープンアーキテクチャ」な資産運用プラットフォームについて話してみたいと思います。

みなさんは、何かに投資をしようと思ったとき、今自分が使っているサービスでは投資ができない、という問題に悩まされたことはありませんか?

欧米では一般的になってきたこの言葉ですが、日本人にとってはオープンアーキテクチャという言葉自体に馴染みのない人も多いかと思いますので、資産運用プラットフォームとしての特徴を3つに分けてご説明します。

① 資産のおまとめ口座となり得る

1つ目は、Manage all your assets in one place、つまり、お客様の資産をまとめて管理します。分散投資をする中で、投資のプラットフォームが複数になってしまい、ポートフォリオの管理や資金の出し入れが面倒になってしまった、というご経験はありませんか。本来、資産とは統合的な管理をすべきであって、ただ気分で分散をすればよいというものではありません。投資する資産に関しては通貨制約がなく、また総合的なリターンも一目瞭然なプラットフォームを利用すべきです。

投資の世界では「全ての卵を同じカゴに入れるな」と言われることもありますが、それは投資対象を分散することが大事という意味であって、管理自体を複雑にしてしまう必要はありません。

② 投資対象を可能な限り広く想定できる

2つ目は、Invest in worldwide asset classes、つまり、世界中のありとあらゆる資産に投資をすることです。投資対象の制約がないので、テーラーメイドな分散投資を実現します。具体的なアセットで言えば、株式、債券、不動産、ヘッジファンド、コモディティ等ですし、投資形態で言えば、現物、ファンド、ETF等も選ぶことは可能です。

日本でもオープンアーキテクチャという言葉は多少聞かれるようになっており、意識されている方もいらっしゃるかもしれません。それは運用商品の選定において、自社やグループ会社の商品に限定しないこととして紹介されることが多いのですが、一方で、自社やグループ会社の商品に限定しないからといって、市場にある運用商品を自由に利用できることを意味していないことはしばしば起こります。

「選択」においては人間の心理上、選択肢は厳選された少ないものの方が選びやすいとされますが、あくまでそれは心理の話であって、投資機会の選別とは異なります。限定的な投資機会のプラットフォームに依存をすると、資産が増えないことは十分にあり得ます。

一方で、選択肢が多すぎる場合、投資家からすれば判断に困ることもあるでしょう。ご自身の投資に対する考え方や好み、リスク許容度に合わせてアドバイスを受けたり、場合によっては投資一任契約という形で任せてしまうことも有効でしょう。

投資一任を選んだ場合、ポートフォリオのメンテナンスは自動で行われることになりますが、その場合は増えたか減ったかではなく、定期的な運用報告を受け、事前に投資家からのヒアリングを通じて定めた運用方針から逸脱した運用をしていないかのチェックをすることが肝心です。また、事情が変わって、運用方針を変更したいという相談も有効です。他人が運用している以上、本人の意思とずれて過剰なリスクをとっているといったことはあり得るからです。投資方針書のような形で話の内容を残しておくことは上手くいくかもしれません。

③ 運用コストを抑える

最後に3つめのポイントですが、Reduce trading cost、つまり、コストの低減を目指すことができます。ファンドラップのような予め決められた投資機会しか与えられないものは、販売会社の都合により高コストな運用になりやすいため、グローバルな投資プラットフォームを利用することにより、サービスそのものが競争的な環境におかれる方がよいと考えられます。また、プラットフォーム利用者として取引をすることにより、個人で取引するよりも規模の経済が働きますので、機関投資家向けのフィー体系になったりと、最終的にお客様のリターン向上に繋がる可能性が高いです。

プラットフォーマーと投資アドバイザーを併用する

プラットフォームが安くなる=取引コストが少なくなる、ということはすなわち、投資に関するアドバイスは少なくなり、そして意思決定における投資家自身の比重が大きくなることを意味します。つまり、Do It Yourself = DIYのようになってくるのです。もちろん、投資家業を生業にする人もなかにはいますが、多くの人にとっては、会社経営であったり、お仕事だったり、家族との時間であったり、あるいは趣味の時間であったりを大事にすること、あるいは両立することが必要になってきます。

安いプラットフォームを利用する代わりに、多少のコストを払ってでも適切な投資アドバイザーを専任することは最終的に投資家としての手取りのリターンを高めることになる、と考えるべきでしょう。投資家と同じ目線から、二人三脚で歩むことのできる人物に是非出会っていただけたらと思います。