安全資産とも言われる金ですが、一度上がった価値は下がることはないのでしょうか。高騰した局面で買うか迷う人のヒントになれば幸いです。
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金は必ず誰かが持っている
金が様々な資産のなかで特別な位置付けがあるかというと、一番はその希少性であり、金属にありがちな酸化や腐食も見られず、物理的に消滅しないこと、によると考えられます。
この世界にある金は誰が持っているか、は変わるものの、必ず誰かが持っているものであり、そしてその量は有限です。ただ、地中に眠っている埋蔵分だけは新たに採掘されて増える、ことはあるし、逆に、持ち主が永遠に変わらないようなものは、市場には出てこないわけです。
価値が下がらないわけではない
ここ数年で金価格が非常に高騰しましたが、もともと金は安全資産という認識があったはずです。それは、どちらかといえば値上がりというより資産保全ができればいいと言うものです。でも、ここにきて価格が上がって、それでもなお安全資産ならば価格が暴落することはないのではないか、という期待すら持っている人もいることと思います。残念ながらそれは正しくないかもしれません。
金は実物資産ですので需要と供給が存在します。シンプルに言えば、価格が上昇するというのは需要が供給を上回っている、ということであり、供給が需要を上回るのであれば価格は下落するでしょう。供給が増えること、あるいは需要が減ることがこのバランスを変えていくきっかけになるわけです。金を持ち続けるニーズよりも金を手放すニーズが強くなったとき、金価格は下落し得るのです。いくらまで上がる(のが自然)、というのがなかった以上、いくらまで下がる(のが自然)、というのもありません。当たり前と言えば当たり前ですよね。
金の価値はなくならないのか
価値、価値と言っていますが、一般の人は価格とほぼ同義で使っていると思います。でも、価格というのは上下しますよね。そしてその【数字】は時代とともに変わっていきます。数十年前の1万円と現代の1万円が同じ価値、だと思っている人は少ないと思いますが、つまり【数字】の感じ方は時代によって上下しています。それに1万円札は火事で燃えたらそれでおしまいです。
ところで、金そのものは変わったかというとそうではないわけです。金の価値が不変、ということもないわけですが、なくならない、つまり永久不滅というのはとても珍しいことなのです。人間もいつか命が絶えますし、不動産だって老朽化します。会社だって倒産します。金は役に立つかはさておき、時代を超えて確かに残る、わけです。それが分かっているならば、金価格が下がるのは怖くはない、のかもしれません。
金保有は長期目線で考える
ところで、価格の上下に意識が向いているうちは金を保有する意味はあまりない気もします。金ほど売り時が見えないものはないからです。
もっと正確に言うならば、金を手放すときというのは、きっと価格が上昇したときではなく、いざというとき、なのだろうと考えられます。
もし価格が上昇して売ることを考えている人がいたら、その人はもともと値上がりすることを期待していたのではないでしょうか。だとしたら値上がり幅として十分だと思ったら売ればいいだけです。こういう活動は金である必要性はないので、単に一時的に金に注目したのだと理解できます。
そもそも金には消費という概念がない以上、保有することに意味が見出せるかどうか、そしてそれは長期目線である必要があるのでしょう。例えば、一生のうちに使い切れないお金ができたら、一部を金にしておく、というのは素直ですよね。富裕層の場合、このいざというとき、というのが本当にいざというときでしょうから意味があり、逆にいえば一般の投資家からすればいざというときが比較的容易に訪れるのだとしたらあまり意味がないかもしれませんね。
その観点から、金を買うのにいつがいいというのはないかもしれないが、金を買う必要があるのか、は人によって違うことが想定されます。もし金の購入を躊躇するのであれば、価格ではなく、そもそも金をどのような意味合いで保有するのか、を考えてみると答えが出るかもしれませんね。