魅力的な利回りを提供することで知られる香港の保険商品。目的に合わせ、資産分散として利用することが可能なことは多い。
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香港保険の利回り
保険商品で資産運用、貯蓄型保険、などと言うとどうしても、増えないイメージを持っている人がいるが、香港においてはそのイメージはあまりない。
ただ、保険商品で大儲けはできない、という感覚を持っている人はもちろんいるし、それは確かなことである。実際、残念ながら、二桁以上のリターンは望めない。
日本のように節税効果がある(=経費支出として見られる)商品は少なく、純粋に資産として増えていくイメージを持っているといい。香港内では少なくとも保険商品に絡んで利益に対する課税が行われることはない。
香港保険の利回りは4-7%くらい
選ぶ商品にもよるものの、中長期では払い込んだ保険料分が必ず解約返戻金としては戻ってくるのに加え、運用による利回りが還元され、最終利回りとして4-7%くらいにはなると見込まれている。実際には、見込み値であるため確約ではないものの、保険会社として出した数字に対しての到達率が公表されているため、達成できるような数字の出し方をしている。
香港保険を購入しようと思うのであれば、保険会社の出している数字の意味は知っておくとよい。なお、毎年発行されるレポートでその進捗具合は分かるようになっている。
4-7%が高いのか低いのか、は人にはよると思うが、例えば、リタイヤメント後の資金がどれくらい必要か、からスタートして今どのくらいの金額で取り組むべきなのか、考えてみるといい。難しい計算ではない。
リタイヤまでの時間が多く残されている人にとって、意味のある利回りであることは数字で確認できるだろう。
短期的な利回りは低い
先ほど香港の保険商品の利回りは4-7%くらいだと述べたものの、実際にその利回りに到達するのは10年も20年も経ってからの話である、という点は注意したい。この時間軸をどうみるか。
例えば、1-5年くらいの短期的な利回りで見てみれば、多くの場合は、ゼロかあるいはマイナス、ということになる。はっきり言って増えていない、という感覚は与える。長く保有してはじめて得られるリターンであるため、長期で使わない資金しか充てるべきではない。
一方で、保険商品を購入してすぐにでも利回り分を受け取りたい、ということであれば、その目的にあった商品を選ぶ必要はあり、その場合の利回りは2-4%くらいになる。選択肢としてないわけではない。
直近は米ドルや香港ドルの定期預金の金利が高いため、短期的な利回りにはそちらに分があるが、翌年の金利がどうなっているかまでは分からないし、翌年またどうするか、そしてその翌年またどうするかを考えることにはなる。
予めまとめて保険料を払うより、後で払った方がおトクなのでは、と考える人もいるだろうから、前払い保険料には5%程度の金利を付与してくれる保険会社もある。
資産運用においては期間の設定をすることが大事であり、そもそも資金が短期的に必要な資金なのか、長期間経ってから必要な資金なのか、という区別をしてしまった方がいいという話でもある。
資産運用における分散の意味合い
香港の保険商品の場合、株式のように日々値動きがあるものではないし、不動産のように管理の手間がかかるものでもない、というのが特徴としてはある。自らが能動的に何かをして利回りを改善する、ということもできないので、放っておくだけでいいし、逆に言えば放っておくことしかできない。
したがって、株式や不動産などに主体的に取り組んでいたとしても、一部の分散先として香港の保険商品を考える人はいる。あるいは、香港の保険商品をコアに位置付け、その他の投資を少額で趣味程度に行っていくことが、リスクの取りすぎを防ぎ、ちょうど良いと考える人もいる。
金額的な面では、USD10,000(約150万円)くらいから商品としては存在し、当然金額が多いほど選べる保険商品が多いし、大きな金額の場合ディスカウントなどが利用できるケースもある。
日本人は保険が好きだ、とも言われるが、保険に入りすぎないことも重要なマネーリテラシーである。
日本人でも香港保険を購入できるのか
日本人でも香港保険を購入できるのか、という質問があるが、確かに保険会社にとって、「国籍」は審査における一つのチェックポイントになっている。が、同時に一つのチェック項目にすぎず、他にも色々考慮されるものはある。
例えば、居住地や資産状況、健康状態などである。もちろん、今回話題に挙げたような貯蓄性の高い保険については年齢も性別も関係なく、保険料は同じであるため、健康状態に関しても、明日にも死にそうという話を除けば問題はない。
保険会社として日本人がダメということはあまりないものの、日本人顧客が多いか少ないか、というのは考慮はできる。というのも、保険金請求などで何か日本語での書類を出さなければならなくなったとき、(彼らにとって見慣れていないため)手続きがもたもたする、ということは十分考えられる。日本人の保険ブローカーの方がそのあたりの事情にも通じている。
ご自身が加入できて当たり前、と思っている人がたまにいるが、保険契約は保険会社に申請を出して、許可されれば成立するものである。
ご自身が加入の対象になるのか、は予め大きな篩にはかけられるものの、実際には聞いてみるのが一番である、とは言えると思う。ダメだと思っていたものが意外といけることはある。