九龍倉置業地産投資 (ワーフ・リアルエステート・インベストメント)は、香港を代表する不動産REIC。ハーバーシティやタイムズスクエアを運営。

サマリ

九龍倉置業地産投資 (ワーフ・リアルエステート・インベストメント)は香港を拠点とし、イギリス領ケイマン諸島に登記がある、不動産の投資・運営に従事する会社(REIC)であり、主には投資不動産からの賃料収入を収益源とする。2017年に九龍倉集団(ワーフ・ホールディングス)からスピンオフする形で設立され、香港株式市場に上場、2018年2月には、ワーフ・ホールディングスに代わってハンセン指数の構成銘柄となった。

2019年12月には親会社からシンガポールのWheelock PlaceとScotts Square、そしてWheelock Properties (Singapore)を取得している。Scotts Squareはフリーホールドである。

香港での代表的な物件としては、尖沙咀にある「ハーバーシティ(海港城)」があり、香港最大のショッピングモールの一つとして食事、ホテルなどでも、買い物客と観光客を引きつける。また、銅羅湾にある「タイムズスクエア(時代広場)」はMTR駅とも直結しており、小売店とオフィスの複合施設で、国際ブランドの出店も多い。そのほかでは、Wheelock HouseやCrawford Houseでこれらは全て999年間のリースホールドとされている。また、ホテルではThe Murray、さらにPlaza Hollywood、そして香港では言わずと知れた、スターフェリー(Star Ferry)も運営している。

特徴

筆頭株主:Wheelock and Company Limited 約49%

同銘柄は引き続き、会徳豊地産(ウィーロック)により保有されている。

配当利回り:4−6%程度

外部格付け:ムーディーズ  A2 / フィッチ BBB(2021年11月時点)

株価推移

TradingView提供チャート 1997 WHARF REIC

最近のトピック

2020年の新型コロナウィルス流行によって、香港のショッピングモールのテナントは苦境に立たされ、結果としてオーナーである、ワーフ・リアルエステートも賃料下げの圧力を強く受けることとなった。

2020年7月、筆頭株主であるウィーロックをその大株主である呉光正(ピーター・ウー)一族が全ての株式を買い取り非公開化することとなったが、傘下のワーフに関しては上場を維持した。傘下のワーフの株式に対して、ウィーロックの株式価値が低く評価されたタイミングを利用した形。

ニュースピックアップ

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*本稿の内容はあくまで個人的見解であり、所属組織とは無関係です。また、当該銘柄の売買を推奨するものではありません。

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