株式、債券、不動産など何かに投資をするとき、人はネットで調べたりあるいはセミナーに行ったりと、情報を熱心に調べる人が多いものの、その資産を売る、あるいは手放すときには深く考えない、という傾向があります。単に現金が必要になったから、というのはよくある理由です。
未来は不確実なので、投資をするときも投資をやめるときもそれ自体は変わりませんが、手放した後は(今まで感じていた、どうすべきかという)悩みから解放される、それ以上の損失を被ることもない、というのは確実にやってくる未来であり、それゆえに手放すことには納得しやすいのかもしれません。
買うタイミングを逃すことも機会損失ではありますが、そのことは意識しなければいいだけです。ただ、売るタイミングを逃す機会損失は実際の損失として考えてしまう、というのもあります。あのとき決断しておけばよかった、という性質のものとしては同じなんですけどね。頭と尻尾はくれてやれ、などとも割り切れる人は多くないのが実情です。
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手放す際のルールがあるか否か
投資をする際、その後手放す際のルール=出口戦略についても同様に真剣に考えたでしょうか。考えるだけでなく、実際に具体的なルールについて決めたでしょうか。実はこれを考えずに投資をしてしまっている人は少なからずいます。
分かりやすい例だと、いくら利益が出たら、という数字になりますが、数字をルールにすることが必要なわけではありません。ただ、そのことを考えると、何のために投資をしているのか、は明確になるようにも思います。不動産で賃料をあてにしているのに、20%値上がりしたら売る、というのはちょっと違いますが、債券に投資をして20%値上がりしたら売るという話にすると、そもそも20%値上がりすることってあるのか、ということにも思いが巡ります。
ルールを決めるという作業には、想定が必要なのです。投資が他力本願だとしても、その想定が非現実的なものであるなら出口はやってきません。と同時に、最悪のシナリオ、についても考える必要が出てきます。このことは投資に過度な期待を抱かないという意味でも役に立ちます。
また、積立をやっている最中なのに、明らかにバブルが到来したらどうすべきなのでしょうか。ルールでは20年ずっと積み立てるはずなのに、上がっても下がっても買うことにしているはずなのに、それでもどうすべきか考えるのが人間というものです。
ルールの決め方については、ご自身の考え方も大事ですが、様々な視点からより納得感のあるものを探していく必要がありますから、この点で外部の助言を受ける、ことは有用だと言えます。助言が正しいかどうか、ではなく、異なる視点を入れたかどうか=客観的に見られたかどうかが重要なのです。
売りどきについての誤解
売りどきについて助言を受けるとして気をつけたいのは、売ったあとの話をしがちである、ということです。解約をする際には手数料がかかったりすることもありますから、トータルで見て良い判断なのかどうかは注意すべきです。
売るべきかどうか、という聞き方をすること自体が危ないかもしれません。なぜなら第三者にとっては、本人が持ち続けることに関しては無関心ということだってあるからです。今が売りどきですよ、なんてはっきり言えること自体、そもそもあまりないのです。不思議ですよね、だったら買いどきもなかったはずです。ベストなタイミングで買い、ベストなタイミングで売ることは理論上は可能ではあるものの、他人に聞けばそれが分かるなどと言えるのか、多くの人が誤解している気はします。
新しいものに目移りしているときもあると思いますから、そのときはなぜそもそも投資をしたのか、その時の認識と今とでは何か異なることはあるか、など振り返ることを大事にしてみてもいいかもしれません。
買うときに全てのことが予見できたわけでないのと同じように、売るときもまた全てのことが予見できるわけではないかもしれません。それでも振り返って良い決断だったと言えるように、できるだけのことをすべきでしょう。
売るのは本当に難しい
満期のようなものが最初に設定されていれば、その時期が来たら考えるだけでいいのに、それがないだけで常に考えなければならないという苦悩、そして考えずに放置していたい願望にどのように向き合えばいいのでしょうか。
上手くいかなくて見切りをつけることを人はやりがちですが、本当は上手くいっているものを割り切って次に上手くいくものへ進み続ける方が実は大事だったりしますよね。
また、売るのが難しいからといって、値下がりしたものを手にすれば割安に違いない、というのも少しずれているわけです。値下がりするのには理由がありますから、それを手にしたとして次に売れるタイミングは来ないかもしれません。
売って利益を確定させるまでは、所詮絵に書いた餅だ、という人だっています。それは確かにそうかもしれません。利益を確定させればまた次に何か投資しなければならなくなるとしたら、そのときに投資したいものがなかったらどうするのか、というケースもあります。様々な視点で納得し、しっかりと持ち続けられるものに出会えたなら、それが一番なのかもしれませんね。