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香港での生活を考える人の中には、これまで香港とはそれほど縁もなかったという人もいると思います。安心して香港での生活をスタートさせるためのチェックリストをまとめてみます。

香港に来るということは今いる場所を去るということでもあります。リロケーション(居住地の変更)は簡単なことではありません。落ち着いて生活環境を整えるようにしましょう。

ビザ(滞在許可証)の申請

香港に住むためには、適切なペーパーワークが必要になります。香港に来て滞在するだけであれば一定の期間はビザなしでいることができる人が多いです。

労働ビザ:香港では、永住権、すなわち“Right of Abode”ないし”Right to Land”を持っていない人は、労働をするにあたってビザが必要になります。雇用をしてくれる企業をスポンサーと呼び、家族のビザも合わせて、香港到着までに手配をしてもらう必要があります。もちろんワーキングビザがなければ労働に従事してはいけないだけで、香港に来てワーキングビザを申請しても別に構いません。申請プロセスはスムーズにいっておよそ6-8週間とされます。

家族ビザ:配偶者自身が香港で仕事をして、ワーキングビザを持っている場合を除いて、配偶者と18歳未満の子供は家族ビザがないと香港にずっといることはできません。家族ビザをもっていれば、配偶者のスポンサー企業とは関係のない仕事を見つけて働くことができるのは香港の特徴です。もちろん、帯同家族に対する手当が出ているケースもあるので、そこは気をつけましょう。お勤め先によっては配偶者の就労がダメなケースもあります。

香港IDカードの発行

香港では11歳以上の全ての居民が有効な香港IDカードを保持することとされています。

香港到着によりビザが有効になった後、30日以内に申請を出し、香港IDカードを発行する必要があります。香港の入国管理局(通称、イミグレ)にもちろんそのまま行っても構いませんが、場合によっては混み合いますので、オンラインで予約をするのがオススメです。パスポートや有効なビザ、申請書を持っていくのを忘れずに。

香港IDカードは、法令上常時携帯の義務があります。警察は声をかけて身分確認(職質)をする権限を有しています。カードにはスマートチップが備わっており、指紋を登録しているので、香港国際空港などではIDカードを用いてe-ゲートを通過することができます。

オクトパスカードの入手

香港でオクトパスカードを持たずに生活するのは逆に難しいくらいです。公共交通機関、駐車場、自動販売機などはかざすだけで支払いができますが、オクトパスカード以外の現金決済を受け付けていないこともあるからです。

オクトパスカードの利用範囲は非常に広く、生活用品、コーヒーショップ、各種の請求の支払いなどが可能です。追加入金はMTRの駅、7-Elevenのお店、スターバックスなどで可能です。

オクトパスカード自体は旅行者でも入手ができますが、香港居民になると、個人情報に紐づいた様々な取引を行うようになるので、まさに生活の一部になってきます。住んでいるマンションによっては、オクトパスカードを登録して、シャトルバスやクラブハウスなどのサービスや料金割引を受けられる場合があります。

2019年には公共交通機関の利用料金が一定額以上になった人に対して、補助金で還付する仕組みが導入されました。毎月の利用額に応じて、翌月16日以降、所定の回収ポイントに行くと還付が受けられます。オクトパスのアプリをスマホに入れてカードを登録すれば、アプリでも還付を受けられます。

銀行口座の開設

香港には250を超える銀行があるとされ、銀行の密度は世界一とも言われます。多くの銀行は、当座預金、普通預金、定期預金、給与支払い口座指定などの基本的なサービスを提供してくれます。クレジットカードもデビットカードも一般的に使われています。小切手は、日々の買い物には使えませんが、公共料金の支払いや、会社や個人間の決済に使うことは比較的見られます。

香港では紙幣を民間の銀行である、HSBC、スタンダードチャータード、中国銀行(香港)がそれぞれ発行していますので、HSBCグループの一員であるハンセン銀行を合わせて、これらは最もよく使われている銀行とされます。勤務先から給与振込銀行を指定される人もいるとは思います。最近は、バーチャル銀行のような店舗をもたない銀行も徐々に存在感を増しています。

銀行口座開設のために必要な書類は、

  • 身分証明書類(パスポートとHKID)
  • 住所証明書類(公共料金の請求書)

ですが、香港に来てすぐの場合は、

  • 有効なビザ
  • 雇用契約書や収入証明書
  • 住所証明書類(以前住んでいた住所、英語)

を求められることもありますので念のため持参するとよいでしょう。

香港IDカードがない状態での銀行口座開設はハードルが高くなるので、香港IDカード(カードそのものか、あるいは申請受領証)が発行された後に銀行に向かう人が多いとは思います。香港で通用性の高い住所証明書類は銀行ステートメントですが、当然ながら銀行を開く前に銀行ステートメントはありません。証明できるものが何もないという場合は、雇用主からのレターに住所を記載してもらうことで足りる場合があります。その場合は、カンパニーチョップ(社印)を押してもらうのを忘れずに。

銀行口座ができて、もし日本の口座から香港へ生活費等を送りたい、という場合は、WISE(旧名Transferwise)がオススメです。銀行送金をするより圧倒的に手数料が安いです。

携帯電話番号の入手

香港で長く住む予定であれば、ローカルのSIMカードを手に入れるのがよいでしょう。日本からSIMフリーの携帯電話を持ってくればSIMカードを手に入れるだけで、1日もせずに使えるようになるでしょう。晴れてあなたも”852″の一員です。端末とSIMカードには相性があることが指摘されることもあるので、不安であればiPhoneのような国際的に使われている端末の方がよいかもしれません。

とりあえずの緊急連絡用であれば、空港の7-Elevenなどでプリペイド版が手に入りますが、街中ではWi-Fiも飛んでいることが多いので、絶対に必要ということはありません。

落ち着いたタイミングで、定期契約をすることになります。料金自体は高くありませんが、最低2年間など、縛りがあるものは多いかもしれません。China Mobile, 3(Three), CSL, PCCW Mobile. Smart Toneなど、繁華街に出ればショップが立ち並ぶエリアがあります。HKBNやSun Mobile、Birdieなども利用者がそれなりにいます。もちろんエリアによって通信会社の回線状態は変わりますが、主要エリアであれば問題はありません。自宅のインターネットのプランなどを同時に考えるようであれば、マンションの大家などに聞いてみるとよいかもしれません。手頃で安価なものとしてはSoSIMが最近は普及し始めています。WatsonやParknShopなどで買えます。

お手伝いさんを雇う

香港の場合、共働きの家庭も多く、子育てにお手伝いさん(ヘルパー)が参画することは少なくありません。

フィリピンやインドネシアから来ている外国人ヘルパーの場合は、専用ビザで滞在しているため、雇用主(スポンサー)となって長期フルタイム、住み込みで雇うことが法的に義務付けられています。他にも母国への一時帰国のサポートなど様々な義務があります。

外国人として香港に一時的に住む場合、定期的な部屋の掃除など、香港ローカルのヘルパーの力をパートタイムで借りることは十分にあり得ます。非常に多くの家庭がヘルパーを利用していることは、週末に香港の公園に出かけてみればすぐに分かります。

子どもの学校を探す

香港には様々な国から来ている家庭がありますので、インターナショナルスクール、あるいは日本人学校など選択肢はたくさんあります。せっかく香港に来たのだから子どもを英語の環境で育てたいという親も多いかと思います。子どもの学校に合わせて住む場所を決めるケースもあり得るでしょうから、早めにリサーチを開始するとよいでしょう。

住む場所を決める

香港はそれほど広い地域ではありませんが、住む場所はやはり大きな決断の一つでしょう。特に香港の賃貸は世界でもぐんを抜いて高いので、お財布との相談も必要です。

サービスアパートメント、ホテル、シェアフラット、日本人の多いエリアやそうでないエリア、など様々なニーズや予算に合わせた選択は可能になっています。高層マンションは多いですが、上層だからといって家賃が高いとは限りませんので高いところに住んでみるというのも一つの手です。

マンションの場合は個人の大家が多いのもの香港の特色ですので、部屋選びもそうですが、大家選びも重要かもしれません。個人交渉することはメリットとリスクの裏合わせの面はあるので、気になる人はエージェントを間に挟むと良いでしょう。香港のマンションはペットフレンドリーなところも多いので、気になる人は要チェックです。

家具を揃える

とりあえず安く、家具が欲しいという場合はIKEAが利用される傾向があります。タオバオなどで買って組み立てる人もいるようです。

急ぎでなければ、帰国する方がインターネット掲示板やFacebookグループなどで欲しい人を募っていることはよくあるので、中古を譲ってもらうという手もあります。日本からの家電は変圧器が必要ですし、何より住む場所によって部屋の大きさや間取りが変わるので、現地に来て必要なものを必要なだけ都度調達する方が現実的かもしれません。それすらも、ということであれば家具が備え付けられている物件もそれなりにあります。

ペットを連れていく

ビジネス街に近い香港島でもペットと住めるマンションはたくさんありますし、少し離れて離島でゆったりと暮らし、フェリーで通勤するという人もいます。ペットフレンドリーなカフェやエリアも多いですし、タクシーも利用できます。

ペットを海外から連れてくる場合は、検疫が定められているので、事前に必要な条件、輸送の費用などを調べておくと良いでしょう。ペットにとっても様々な家族と触れ合える環境が香港では期待されます。

生活に役立つアプリ

  • Google Map いわずもがな、行きたいスポットや目的地への乗り換え経路の検索に使えます。
  • Citymapper 世界の主要都市で利用できる交通検索アプリですが香港も対応しています。MTRの運行状況などもリアルタイムでアップデートされています。
  • SNS関連 万人共通なのがWhatsapp、中国関係の人だとWeChatが追加されますが、LINEやFacebookは問題なく使えますし、TwitterやInstagramなどは香港在住の人同士でタイムリーな情報共有をしていることが多いので、こっそりフォローしてみるといいかもしれません。
  • Citybus バスがどのバス停を通過したか、いつ頃くるかが分かります。香港のバスは概ね正確ですが、実際にバスが来ていることを確認するに越したことはありません。
  • Openrice レストランの検索や予約に使います。友達同士や仕事で食事する場合などは重宝します。
  • MyObservatory 香港は天気が急に変わることも多いです。また、学校や仕事は天文台の出す警報などに基づいて休みなったりするため、参考にするといいでしょう。
  • GOGOX 香港内で荷物を運ぶ(引越しする)際のウーバーのようなアプリです。荷物の量や手伝いの必要性などを伝えて手配します。費用は安めですが、内容によっては交渉が必要になったり、直前でドライバーが変わって予定通りに行かなかったりするので、余裕のあるときに使いましょう。
  • Toby 香港内で専門業者の相見積もりをするためのアプリです。エアコンや水回りのトラブルなどは大家に連絡をして解決することもありますが、自分で修理の手配をするときは事前に見積もりをもらえ、ちゃんとした人に来てもらいたいものです。
  • HK Taxi 香港でもUberは使えますが、それ以外だとこちらのアプリです。英語が通じなかったり目的地がうまく伝わらなかったりというストレスから解放されます。

まとめ

さて、やることはてんこもりです。慣れてしまえば何のことはないかもしれませんが、何事も初めてだと不安になるものです。特にリロケーション関係は一気に済ませないといけないプレッシャーもあります。香港に来た後は、無理はせず、少しずつできることを増やしていくとよいと思います。

幸い日本には近いので、足りないものを買いに帰ることもできますが、日常生活に必要なもので、香港で手に入らない日本のものはあまりことにいずれ気づきます。また、多くのことを自分でやるのも楽しみの一つですが、ちょっとしたことを気軽に聞ける知り合いなどがいるとより安心はできますよね。是非、自分なりの香港ライフをスタートさせてみてください。

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