我が家にもCFOが必要なのではないか、そう感じるようになったなら、パーソナルCFOを雇うことを考えてみてはいかがだろうか。信頼できる人物に出会えたなら、多くの課題がすんなりと解決できるかもしれない。

CFOとは

CFOという言葉すら実は日本ではまだ聞きなれない言葉なのかもしれません。CFO=Chief Financial Officer(最高財務責任者)は企業の財務に関する責任を担うポジションであり、会社のトップであるCEO(最高経営責任者)を支える重要な役職です。単なる経理というわけでなく、資金調達や企業価値向上など、上手く機能すれば企業の成長のカギになる存在と言えます。

株主や従業員のいる企業と違って、家計における責任は全て本人にあり、そして追加的に責任を負うとしたら家族である、ということになります。公の活動でないからこそ、ここに対してあまり大袈裟にして取り組む人は少ないわけですが、それでもなんとなくお財布を握っている人が出てきたり、お金に関する意思決定をする人を集約したりしている家庭はあります。

この部分、企業と同じように誰かを雇ってより良くしたいと思うのは自然であり、そこでパーソナルCFOが求められるわけです。苦手なことを無理にする必要はありませんし、たとえ得意なことであったとしても他にやりたいことがあるのであれば、誰かに任せてしまった方がいいわけです。以下では、パーソナルCFOの役割についてざっくりとまとめてみます。

ライフスタイルサポート

収入と支出を把握しながら、キャッシュフローの課題を指摘し、計画性を持って取り組むことは非常に大切です。数字が記憶に鮮明に残ることは多くありませんから、しっかり視覚化しイメージとして把握することが始まりです。

お金とライフスタイルは表裏一体であり、計画性をもって効果的に支出をすることは満足度を高めます。収入もできれば分散された形で、しかもできるだけ労力をかけずに得られる方が安心です。

海外生活あるいは海外移住に対する不安とトラブルをどのように解消しているでしょうか。永住権や市民権など、十分な選択肢を検討できたと言える状態でしょうか。難しい課題に限らず、家族と過ごす時間や趣味の幅をいかに広げられるか、実は多くの問題はお金に関する不安が解消すれば行動に移すことができます。

ファミリーガバナンス

世代間の資産継承や慈善活動、金融教育など、本人だけでなく家族全体が知識と経験を高められるようにします。ファミリー資産にするといっても、必ずしも一人ひとりの思いが全体として共通しているわけではありません。例えば、相続計画の策定において、スキームにどのようにご家族が関わるべきなのか、あるいは後継者選びにおいてどのようなコミュニケーションが求められるのか。子育てを終えて自立した家族がもう一度お互いを見つめなおす時間と機会を作ることが重要になってきます。

ビジネスサポート

ビジネスオーナーが個人と法人の頭の中での区別がなくなりやすいように、事業活動が家族生活の中に溶け込んでいるケースはままあります。パーソナルCFOは企業のCFOとは異なりますが、家族がどのように事業に関わるべきか、そして個人と法人をどのように分けて考えるべきか助言します。新事業の創設やベンチャー投資においても、財務的な立場からどのようなメリットやデメリットがあるのか客観的に意見具申できることでしょう。

アセットコーディネーター

弁護士や税理士などの専門アドバイザーとの主要な連絡先として機能し、顧客の最善の利益を追求できるよう、効果的に連携します。

資産運用状況の分析、債務管理、保険契約の最適化などは、多くの人がもっと時間をかけるべきだと感じているのに対し、実際はそのような時間がないままに意思決定を余儀なくされている分野でもあり、アウトソースのニーズが高い分野です。専門知識が必要なケースが多いというのも課題の一つであり、一時的に関心が高くてもそれが維持できる、とは限りません。

シングルファミリー型かマルチファミリー型か

パーソナルCFOは第三者でありながら、ご家族のプライベートに関わる重要な存在であり、信頼は欠かせません。パーソナルCFOにとっても家族にお仕えすることは決してお金だけの関係ではありません。信頼できる人物が何人もいるとは限らないので、シングルファミリーに従事する常勤の執事のような役割だと考える人もいます。一方で、様々なご家族と関わることがより幅広い知識と経験をもたらすとも考えられますし、マルチファミリーに従事する存在を選ぶことで、非常勤の相談役ゆえに、費用を抑えることも可能でしょう。パーソナルCFOを試したことがないという方はまずは新しい可能性に目を向け、あなたに合った方法を模索してみてはいかがでしょうか。

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