香港IDカードといえば、全ての香港市民が持つ、公式の身分証明書であり、様々な場面で提示を求められると同時に、様々な手続きをスムーズにしてくれる大変便利なカードでもあります。2018年11月26日に新スマートIDへの移行が発表され、対象となるのは全港市民です。もし移行がまだの人がいれば、以下を参考にしてもらえると有り難いです。およそ4年がかりの総入れ替えも2023年2月11日には完了することとなっています。

新スマートIDへの移行

2018年12月27日から全港市民の身分証であるHKIDが刷新されています。その後に香港に初めて来てID発行を受けた人は既に新スマートIDが発行されていますが、それ以前にID発行を受けていた人は旧IDから新スマートID(New Smart Identity Card)への交換が必要になります。

交換手続き時期は出生年毎に案内されています(来ていない人も多い?!)が、新型コロナの影響もあり、該当期間に上手く交換ができていない人もいることでしょう。厳密な申請期限は、2023年2月11日までであり、その後交換の最終期限は2023年3月3日ですから、直前に混み合うことも想定されるため早めに行く方がいいと思われます。

スマートID交換センターの場所

スマートID交換センター(SIDCCs)は湾仔のイミグレタワーにありません。湾仔の場合はイミグレタワーの近くのビル、それ以外にも旺角、觀塘、荃灣、屯門、元朗、上水、沙田、將軍澳の計9カ所が設営されています。これらの運営が【2023年2月11日】に終わるので、早めに行きましょうという話です。どうしてもそれ以降にしか受け取れないというケースがないわけではないでしょうが、何か受付窓口を設けるのか、あるいはイミグレでいいのか、そのあたりは明確ではありません。

Smart Identity Card Replacement Centres

交換手続きの流れ

事前予約(アポイントメント)

24営業日前から事前予約を入れることができ、当日受付分もあるようですが、混雑する可能性はあります。ウェブサイトやモバイルアプリでは申請書を事前記入しておくこともできます。ただし、書類を事前提出できるわけではなく、提出はあくまで当日に行います。

Online Appointment booking and Form Pre-filling Service(*リンク切れ)

Information on the Immigration Department Mobile Application

確認されることとしては、国籍や婚姻状況、住所などです。旧IDに登録されているものから変わっていなければ最もスムーズです。

手続き当日

手続き当日は本人がいる必要があります。顔写真の撮影と指紋の認証があるからです。

スマートID交換センターに到着したら、アポイントメントレター(メール)のQRコードを用いて、有人カウンターまたは自動登録機から整理番号札を受け取ります。

その後待合エリアにて自分の番号が呼ばれるのを待ちます。呼ばれたらブースに行くと、申請に関する手続きを済ませてくれます。申請手続きは自動登録機で自分で行うこともできるようになっています。

完了したら、また待合エリアに戻り、再度自分の番号が呼ばれるのを待ちます。呼ばれたらブースに行くと、写真撮影と指紋認証が行われ、Notice of Collectionを受け取って手続きは終了です。

難しいことはありません。かかる時間は30分をみていれば問題はなさそうです。

受け取り当日

受け取りは申請から7営業日後から起算して30日以内の期間となっています。

該当期間に本人が来ることが原則ですが、代理人を指定することは可能ですので、その旨を手続き当日に伝えましょう。代理人の身分証を見せ、本人が署名しておけば、受取は代理人だけでできます。

ただし、旧IDとの交換にはなるので、代理人が申請者の旧IDを持参する必要があります。一応、代理人に依頼する理由は聞かれ、①受取期間に香港外にいる、②健康や医療上困難である、などが想定されているようです。

当日の持ち物は旧IDとNotice of Collectionの2点、代理人の場合はAuthorisation Letterを加えた3点セットです。窓口に提出すると、名前を呼ぶので近くにいてくださいと言われます。ほんの数分で準備ができ、新しいカードと交換が完了します。

IDに使用される写真

身分証には素敵な写真が使用されて欲しいものですが、失敗したことのある人も多いのではないでしょうか。

使用する写真はその場で撮影することになります。いくつか撮ったサンプルから選ばせてくれるのは良心的です。(どこもそうなのかは分からないですが、少なくとも湾仔ではそうでした。)

ちなみに、ニコッと笑っていても構わないようです。なお、身長の低いお子さん等の場合は予め写真を撮って持っていく必要があります。

その他注意事項

香港IDカードには有効期限はありませんので、交換期間終了後に、旧IDが即座に無効になるわけではありませんが、将来のどこかで無効とする発表を政府が行う可能性はある、とされています(2024.6.18発表の詳細は後述)。

また、指定の交換手続き期間内に、合理的な理由なく移行しなかった場合、HK$5,000の罰金が科せられる可能性があります。

なお、該当期間以降ずっと香港外で過ごしていた場合、香港に戻って30日以内にスマートIDへの移行手続きを行えばよいとされています。

本人は該当期間外であっても、家族や、65歳以上の友人と一緒に行って申請することはできるので、一緒にやってしまうのも一つの手でしょうか。

スマートID交換センターは2023年3月6日に運営を終了しますが、その後ID交換を希望する人は、イミグレタワーにあるRegistration of Persons Officesを訪ねればよい、との発表がありました。しばらく海外にいる人が相当数いることを鑑み、当面は旧IDも有効である、とのことです。

少なくとも2023年7月時点でまだ交換していない人は100万人近くおり、予約が取りづらくなっているそうです。

新スマートIDの特徴

スマートIDと言いながら、旧IDも既に結構便利だったと思う人もいるはずです。

新スマートIDについては、テクニカルな面では、写真の解像度や虹色のマルチパターン背景などで高い偽造防止技術が採用されているほか、RFIDと呼ばれる非接触型の技術により、空港の自動出入境ゲートでの通過所要時間が短縮されるようです。

つまるところ、便利ですし、罰金は嫌でしょうからさっさと交換しにいきましょう。

From 香港政府サイト

旧IDカードの有効期限

イミグレは2024年6月18日に、旧カードの有効期限とその後の取り扱いについて発表を行なっています。この時点でまだ旧IDカードを保有している人は18万2千人いるとされ、出生日によって2025年5月12日と2025年10月12日の2段階に分け、旧IDカードが失効となることが決まっています。交換がまだの方は所定の手続きを行うことが推奨されます。

*なお、本稿に記載した内容は私の実体験及び関連ウェブサイトでの記載事項をもとにしており、正確であることには努めていますが、厳密な情報は公式ウェブサイトで確認、または該当部署に問い合わせをすることをオススメします。

↓ この記事が気に入ったらシェア ↓